シャモニー氷河スキー

山行情報・担当者

日時:2017年2月19日(日)~2月26日(日) 晴 参加者:3名

記録担当:文責:No.3155 写真:No.3026、3038、3155 ビデオ:No.3155

コース

2/19(日)成田11:05-15:50チューリッヒ18:18-(列車)-21:18ジュネーブ 迎えの車でシャモニーへ

2/20(月)ブレバンおよびグランモンテ・スキー場、ロープウェイおよびバス乗り場の確認、氷河スキーの申込、イタリア・クールマイユール行きバスの予約など

2/21(火)ブレバンおよびフレジェールでのスキー

2/22(水)イタリア・クールマイユールでのスキー

2/23(木)エギュードミディから氷河スキー

2/24(金)ル・トゥールおよびグランモンテでのスキー

2/25(土)シャモニー7:30-9:00ジュネーブ11:00-11:55チューリッヒ13:00-

2/26(日)8:55成田

メモ

旅行企画会社 約26万円(ホテル、航空券、送迎タクシー、現地日本語電話相談付き)
モンブランアンリミテッドパス5日券 3万円(バス、ロープウェイ、リフト乗り放題)
食費・お酒代 約5万円
フランスで使用する携帯電話2台とモバイルルーター 8,000円
氷河スキーガイド料 1.1万円 など

山行記

知り合いからシャモニーで氷河スキーをして楽しかったという話を聞いていて、いつか行ってみたいと思っていたが、このたびみろくの仲間と一緒にその夢を実現することができた。シャモニー周辺のスキー場およびイタリアのクールマイユールでのスキーも日本では得られない楽しみがあった。

2/19(日)成田からシャモニーへの移動

チューリッヒでのジュネーブ行き便の乗換予定時間が40分しかなく、遅れ等で実質20分程度になりゲートに着いたときは飛び立ったあとだった。カウンターで相談したら別便のチェックをしてくれたが、あいにく満席のため、ジュネーブ空港行きの列車のチケットを発券してくれた。

ところで預かり荷物はジュネーブまで行ってしまったのか、チューリッヒで降ろされたのか? しばらくチューリッヒ空港のバゲージ・クレイムで待っていたが出てこないので荷物なしで列車に乗った。

列車の中は満員で、若い軍人たちが通路にまで座りこみ大声で話していた。さすがに国民皆兵の国だなあと思った。ほどなくして首都のベルンに着くと軍人たちは降りて車内は空いてきたが、食堂車があることがわかり食堂車に移動して、ジュネーブに着くまでビールとサンドイッチで喉と腹を潤した。

ジュネーブ空港駅について待っているはずのドライバーを探したが見つからない。また、空港のカウンターも閉まっていて荷物のチェックもできない。どうしようかと考えていたら携帯電話が鳴り、「ジュネーブ空港の駅の出口で待っているのだが、どこにいるのか?」ということで、やっとドライバーに会うことができた。私はすっかり男性のドライバーと思い込んでいたが、女性だったために見落としてしまったようだ。

そのようなわけで、結局スキー道具や着替えなしの状態でホテルにチェックインすることになった。

(写真をクリックするとスライドショーで見ることができます)

2/20(月)シャモニーおよび近隣スキー場の調査

スキーがない状態でどうすればよいか相談したところ、アンリミテッドパス(バス、ロープウェイ乗り放題)を買って色々と調査しようということになった。

最初に行ったのは氷河スキーの集合地点であるエギーユドゥミディ・ロープウェイ乗り場。街を見物しながら乗り場まで行ったが、歩いても問題ない距離だった。すでに氷河スキーに行くスキーヤーが集まっていた。

次にホテルに戻り、近くの初心者用ゲレンデをチェックしてからブレバンのロープウェイ乗り場でチケット(アンリミテッドパス)を買い、ロープウェイで上に上がった。スキーの格好をしていないのは我々だけで少し場違いな感じだった。上に上がると絶景があり、目の前や下をパラグライダーがかすめていく独特の雰囲気だった。スキーを立てかけるところがなく、皆雪面のスキーを放置しているのが日本と変わったところだった。

食事をした後、ロープウェイで下に降り、次はバスでグランモンテ・スキー場に行く。ここはシャモニーで最大のスキー場であり、オフピステ(無圧雪)のコースもたくさんある所。ロープウェイで上に上がると広大なゲレンデが見え、ここも眺望が抜群だった。

途中で電話が入り、スキーはチューリッヒにあったが、ジュネーブまで空輸して、夜にはホテルまで届けられるとのこと。これで翌日からスキーができると安心した。今回はいざという時のために日本語でサポートが受けられる旅行企画を選んだが、それが正解だった。もしもこのようなサポートがなければ、今日一日はジュネーブに行って一日潰れるところだった。

宿に戻る前にガイド協会のオフィスに寄って水曜日の氷河スキーの申込みをしようと思ったら、水曜日は予約がいっぱいということで、氷河スキーは木曜日で予約し、水曜日はイタリアのクールマイユールに行くことにしてクールマイユール行きのバス乗り場まで歩き、翌日の予約をした。

ホテルに戻って気がついたが、宿泊したホテル(クロア・ブランシュ)は抜群のロケーションにあった。それほど豪華なホテルではないが、繁華街に面しており、ロープウェイ乗り場、バス乗り場、スーパーなどが近くにあってとても便利だ。

夜は街を見物しながらそぞろ歩き。有名な登山用品やスキー用品の直営店が数多くあり、日本では見ることができない商品も多かった。

ホテルに戻ったらスキーが届いていて一安心、いよいよ明日からスキーだ。

(クリックするとビデオを見れます。音が出るのでご注意を! スピーカーアイコンで消音できます。)

(右下のアイコンをクリックすると全画面表示やYouTubeでの視聴ができます。)

 

2/21(火)ブレバンおよびフレジェールでのスキー

ホテルの直ぐそばの初心者用ゲレンデでロープトーを使って上に上がり、そこからロープウェイに乗ってブレバンスキー場に行った。ロープウェイを乗り継いで一番上まで上がり、そこから隣のフレジェールスキー場を目指した。

隣のフレジェールスキー場も眺望のいいスキー場だった。日本では見られない、曲がりくねった結構急な斜面を登っていくロープトーがあった。その後連絡用のロープウェイに乗り元のブレバンスキー場に戻って、ロープウェイで下に降りた。今年は雪が少なくで、下まで滑降できないのが残念だった。

この日は外のレストランで夕食をとった。Iさんはたのんだムール貝の量が多くてびっくりしていたが、最後は皆で平らげることができた。こちらの人は食べる量が多く、お昼のフランスパンのサンドイッチも量の多さに持て余し気味になってしまった。

2/22(水)イタリアのクールマイユールでの観光とスキー

イタリアといってもモンブラン・トンネルを使って40分で行けるところにクールマイユールはあった。

着いてから最初はスキー場と反対側の360度回転ロープウェイ2つを乗り継いで、トリノ小屋のところまで登った。ハーネスを付けたスキーヤーが沢山乗っていたが、彼らはここから氷河スキーに行くようだった。展望台に登ると、目の前に巨人の歯という意味のダンデュジュアンの尖峰がきれいに見えた。また遠くにはマッターホルンを望むこともできた。反対側にはモンブランが鮮やかに見えた。

その後ロープウェイで下に降り、反対側にあるロープウェイを使ってクールマイユールスキー場に行った。いくつかのリフトに乗り、一番上まで行くロープウェイに乗ろうとしたらすごい混雑だった。こちらに来て初めての長い行列。我々がここまで登ってきたロープウェイ以外にイタリアから来る人は別のロープウェイで上がってきたようで、広大なゲレンデに多くの人が来ていることがわかった。一番上に着いたらアクションカメラを装着して、爽快な滑降を楽しんだ。

帰りのバスの時刻に間に合うように元の場所に戻らないと行けないため、反対側の広大なゲレンデは少し滑っただけで、登ってきた側のゲレンデを一通り滑り、バスのところまでロープウェイで降りた。

途中で見たレンズ雲や、モンブランの上に湧き上がる雲の姿が印象的だった。

モンブラン・ロープウェイを使って上に上がったときのビデオ

クールマイユールスキー場でのビデオ

2/23(木)エギーユ・ドゥ・ミディからの氷河スキー

朝ロープウェイ乗り場に行くと多くのスキーヤーが列をなしていた。ガイド協会の人が名前を読み上げ、一緒に滑るグループが順次決まっていったが、我々のグループはドイツ人親子2名、アメリカ在住のインド人、それと我々3名になった。

ロープウェイの待ち時間にガイドにビーコン(万一雪崩が起きて埋まったときに探すための電波発振器)とハーネスの装着をしてもらい、さらにスキーをザックに装着できない人については装着できる準備をしてから上に上がった。

エギーユ・デュ・ミディに到着したら展望台(3,842m)には上がらずに、すぐにガイドはアンザイレン(ロープで結び合うこと)して、両手でロープをつかめるよう全員のストックを束ねて持ち、急な稜線の下降が始まった。

片側または両側にロープが張ってあったが、私の前にいたドイツ人親子は、スキーは上手なのだろうが山の経験がないようで、おっかなびっくりの姿勢で歩いていた。私は雪山の経験もあるため、別段どうということはなかった。

下に降りてスキーを履くと、目の前のアルプスの山々と氷河の絶景にしば見とれた。最初は中程度の斜面で、雪の状態も良いため気持ちよく滑った。暫く行くとこぶの急斜面もあって、アイスバーンになっているところで一度転倒してしまった。それほどの転倒ではなかったが、膝の筋を伸ばしてしまったようで、その後足を伸ばしきると痛みを感じるようになった。昼食の山小屋までの間のギャップのあるところで、痛みのために何度か転倒を繰返してしまった。

山小屋で昼食後はセラックの間の狭いところを通り抜けていく箇所も増え、緊張しながら滑った。インド人のスキー技術はいまいちで、途中で急に止まることも多くて、ぶつからないように滑るのに苦労した。

やがてモンタンベール登山電車駅の麓に到着した。登山電車の駅まではロープウェイで登るのだが、麓からロープウェイ駅まで300段の階段があった。あるブログには、このスキーを担いでの300段の登りが一番きつかったという記述もあったが、我々は普段から山を登り慣れているため、それほどのことはなかった。

300段の階段の上にロープウェイの駅を作ったということは、昔は相当上の方まで氷河があったのだ、温暖化の影響でここまで減ったのか、という感慨があった。

ホテルに帰ってからホテル隣接のレストランで夕食を取った。チーズフォンデューが美味しかった。その後、向かいにあるアイリッシュコーヒーの店に入って飲んだが、これはコーヒーではなく温かいコーヒー味のカクテルで、これまた美味だった。

氷河スキーのビデオ

2/24(金)ル・トゥールおよびグランモンテでのスキー

滞在5日目、朝まで雨模様の天気、視界も悪いので今日は無理をせずに、初~中級者向きコースの多い、ル・トゥールで滑ることにする。だが視界が良くないため早々に引き上げる。

巡回バスに乗り、グラン・モンテへ移動。ロープウエイで中間駅ロニオンへ。そこからゴンドラ・リフトで登る広大な斜面は、スケールの大きさを感じた。天気は回復してきたが疲労の蓄積は隠せない。無理をせず最後はロープウェイ乗り場までのロングコースを滑って締めくくりとした。