宝剣岳 サギダル尾根

サギダル尾根を登攀

山行情報

日時:2023/03/18 ~ 2023/03/19 天候:雨/晴れ
ランク:D-D-6:00 参加:8名
山行担当:CL3632 SL3256
記録担当:文責:3722 写真:3256, 3626, 3722, 3730, 3632

コースタイム

18日:海老名駅13:00 - 駒ヶ根キャンプセンター17:00
19日:菅の台バスセンター8:50 - しらび平 - 千畳敷10:00 … 10:30サギダル尾根1ピッチ目取付(順番待ち)12:30 … 14:20サギダルの頭14:30 … 14:35極楽平 … 14:50千畳敷RW乗り場14:55 -菅の台バスセンター16:00 - 21:00海老名駅

コースマップ

記録日:
合計距離: 1125 m
最高点の標高: 2877 m
最低点の標高: 2639 m

山行記

前泊地の駒ヶ根キャンプセンターに着いたのは、中央道の大渋滞からようやく抜け出てキャンプ場受付時間内ギリギリの17時近く。10名は楽に宿泊できる大型テントが既にあり、荷物整理もそこそこに翌日のルート確認と夕食が始まる。今期も暖冬で雪は期待できないと思っていたのだが、嬉しいことに前夜に降雪の予報。期待を膨らませながら就寝。

翌朝7時15分に菅の台バスセンターに着くと、なんと乗車順番待ちの大行列。唖然となるも、雪面一番乗りではなく、ラッセルから解放されホッとした自分。千畳敷カールで朝一番に雪崩が発生した、という情報が。一同、緊張しながら登山相談スタッフから話を聞く。CLは予め雪崩回避の下山ルートを折込済みだったので安心してはいたが、気は抜けないと再確認する。 

10時頃にはロープウェイを降り登山準備にとりかかる。と、すぐに出発の声が聞こえ、ふとサギダル尾根に目を向けると既にCLとメンバーの二人は遙か彼方の雪面を登攀中。傾斜40度はある雪面にアイゼンが気持ちよく刺さるが、朝一番でこの登攀スピードはキツく、息が上がりながら30分ほどで下部岩稜ハイマツ帯に着く。

1ピッチ目は、CLがダブルバイルを使い雪面を超高速登攀。シングルロープをセットした後に、全員安全確保にアッセンダーを装着し、急雪斜面を登攀開始。ピナクル先での2ピッチ目からは、ダブルロープで灌木と岩稜で支点をとりながらのルートとなる。自分はフォロワーなので岩面にあまり雪も無く岩の高さも低いので意外と登り易く感じた。

支点通過時にロープが交差していた場所で、慣れないアッセンダーの入れ替えに何度か手間取る場面も。事前確認の際に、最終ピッチ手前のトラバース地点で手こずると思われた場所は、時間は掛からず通過。時折尾根沿いに吹く冷風と限りなく透明な碧空、そして南東面に広がる空木岳を始め中央アルプスの眺望が癒してくれる。

岩面にワイヤーが張られている核心部を過ぎ、いよいよサギダル尾根の頭が見えてきた。CLが頭へのルート指示を上からくれ、稜線へ抜ける事ができた。全員でサギダル尾根の頭でハイタッチし、笑顔の記念写真の一枚で、“はいチーズ”ではなく“はいサギダル”と呟いたのば自分だけだっただろうか? 

先行パーティーによる大渋滞が続き大幅な待ち時間の連続となり、宝剣岳へのアタックルートを変更し、最終的にサギダル尾根の頭から極楽平方面へ向かい、トレースのあった斜面からトラバース気味に下山開始となる。時折、膝下まで潜り込む程の雪量を楽しみ、14時55分のロープウェイで下山完了となる。

冬季雪量がある時のみにチャレンジできるこの尾根ルートは、前年の残雪期に木曽駒ヶ岳と宝剣岳を訪れたとき以上に楽しませてくれた。来季は難要度が一段上がる宝剣岳まで、再チャレンジが楽しみに。CL・SLさんをはじめ運転をしたり他の準備をして頂いた皆さんに大感謝。因みにサギダル=雪解け時の斜面に鷺の形の雪形が現れるのが名称の由来とのこと。 

 

CL追記】 

19日は天気が良く登山日和で大混雑、始発のバスに乗れず出発が遅れてしまった。サギダル尾根も大渋滞で2時間待ち。登攀時間よりも待ち時間が長く、宝剣岳の頂上へは行かずに下山したのが残念でした。 



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