伊藤新道

第三吊橋。結構な高度感だ

山行情報

日時:2023/09/26 ~ 2023/09/28 天候:曇り時々小雨
ランク:D-C-10:00 参加:6名
山行担当:CL3005 SL2247
記録担当:文責:3687 写真:3623, 3634, 3687

コースタイム

1日目 
高瀬ダム上12:10…13:00林道終点13:10…13:45無名小屋13:50…14:30湯俣山荘(泊)
2日目
湯俣山荘6:00…6:55第一吊橋7:05…8:20第三吊橋跡8:30…9:30第五吊橋跡9:40…10:20赤沢横断部10:30…11:45展望台12:00…12:35第一庭園12:45…13:40三俣山荘 (泊)
3日目
三俣山荘6:10…8:30双六小屋8:39…10:36鏡平山荘10:48…13:59わさび平小屋14:05…15:00新穂高温泉

コースマップ

記録日:2023/09/26~2023/09/28
合計距離: 40499 m
最高点の標高: 2753 m
最低点の標高: 1077 m

山行記

1日目

「黒部の山賊」を読んだときからいつか行きたいと思っていた伊藤新道に、いよいよ挑戦できることとなった。 湯俣山荘から始まる伊藤新道は、北アルプスの奥の奥へと続いていく。原生林と、迫りくる赤茶色の岩、硫黄分の混じった特異な湯俣川を遡行、後半は長くきつい急登が待ち構えている。 



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2日目

小雨のなか湯俣山荘を出発、8時間に及ぶ行動がいよいよ始まるが、天候は悪いので、撤退覚悟で歩むこととなった。左俣を進み始め、橋を渡り山の神に安全を祈願する。噴湯丘の蒸気を横目に、足元から吹き出す湯に火傷しないよう注意する。 

初めの目標は第一吊橋。ここまで来れば第三吊橋までは行けるはず、とのこと。途中、北鎌尾根に続くという遥か彼方を、眩しい気持ちで見つめる。 衝立岩、水場、オベリスク跡、高巻きしても川中も難所のガンダム岩、第二吊橋跡、いくつかのパーティがビバークしたであろう焚火跡などを次つぎと越えていく。 雨で増水した湯俣川を、息ぴったりのスクラムを組み何度も渡渉を繰り返す。ワリモ沢出合、目標の第三吊橋まで来れたが、吊橋に上がるための足場も悪い。大岩に、これでもか!と力を込めて乗り込む。やっと渡れる橋も揺れに揺れる。渡り終わった向こうには、気の抜けないトラバースが待っている。 

 次はどんな景色があるのかと、ハラハラとワクワクが複雑に入り交じり、一歩一歩踏みしめる。時には腰まで激流につかり繰り返し渡渉した湯俣川も、第五吊橋を渡ればそろそろ脱渓のとき。 

 三俣山荘登山口にたどり着く。まだまだ山荘までは遠い道のりだ。いきなりの急登を見上げ、踏み跡を四つん這いになりながら必死に格闘する。 

足幅ほどの尾根を、皆で無言で揃って歩く。きつい、きつい…。やっと上ったのに急降下し、赤沢に出て長めの休憩をとる。ここからもまた、木の根絡まる急登を行くことになる。源次郎尾根みたい、とTさん。木々の間から空が見えたその先もまた急登。幾度空が見えても、やっぱりまだまだ急登…。疲れ果て第二庭園につき、ひと息入れる。ダケカン林の看板を過ぎて、かぶり岩、その先の鷲羽岳までのトラバースも長かった。 

三俣山荘の夜は、展望食堂でボトルワインもあけ、サイフォンコーヒーもショコラケーキも楽しんだ。 



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3日目

勝手知ってるはずの下山道・小池新道は、9月21日の大雨で全くちがう様相となっていた。山とは恐ろしいものだ。 

CL追記】 

昨年9月に日経の伊藤新道特集を見てから、行きたい思いが募り企画しました。天候が今一つでしたが、私の熱意に負けてSLが協力してくれました(ありがとうございます)。

出だしは日本のグランドキャニオンと言われている様相ですが、後半は岩が崩れ、何年かしたらまた通行止めになるのではと懸念しています。 



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