八ヶ岳阿弥陀南稜(プチバリ)

いよいよ南稜の取り付きが近づいてきたョ

山行情報

日時:2023/10/18 天候:晴れ
ランク:D-D-10:00  参加:7名
山行担当:CL3224 SL3537
記録担当:文責:3686 写真:3224, 3060, 3686, 3722

コースタイム

舟山十字路5:23…5:47南陵広河原取り付き…7:26立場岳…7:49青ナギ…8:16無名峰…9:41 P3ルンゼ…10:30阿弥陀岳…12:49中央稜取り付き…13:29南陵広河原取り付き…13:48舟山十字路

山行記

日帰り山行と記載されていたが、前日、八ヶ岳山荘の仮眠室に宿泊をし、翌日早朝に舟山十字路へタクシーで移動した。舟山十字路からヘッデンで足元を照らしながら林道を進み、南陵分岐に至るころにはあたりが明るくなり、今日1日晴天の始まりを予感した。ウキウキしながら分岐をすぎると、さすが八ヶ岳と思わせるいきなりの急登の始まりだ。ウキウキ感からヘトヘト感へと変わるころ、苔むした、これまた八ヶ岳を感じる場所もある。誰かが一言、「いいな~ここ八ヶ岳みたい」と…。いやいやここは八ヶ岳です。と、つっこみが入り、いままで急登をモクモクと登っていたメンバーにも笑いが出て「ここ八」と場所の名称をつけた。 

朝の太陽の光が、紅葉が始まった木々にうつる。静かだ。だけど急登は続く。青ナギあたりで、綺麗な紅葉をまといながらも、頂の険しさも兼ねそなえた、これから進む阿弥陀岳が姿をあらわした。同時に八ヶ岳、360度遠くにアルプスの山並みと富士山、雲海が広がる景観に、自然と足が止まる。 

「きれいだね~、最高だね」と言葉にするが、同時に前方にみえる、あの南稜の岩稜を私の技量で歩けるか、不安もあった。慎重にP2まで歩ききると、今回ロープで登るP3ルンゼ取り付きに着いた。まき道もあるようだが、直登する。CLがリードで登りロープのセット。アッセンダーもしくはプルージックでの登攀だ。「岩がもろく、引っ張るとスッポ抜けるので、押しながら登るように」と注意を受ける。とにかく大きな岩に手足を置くことしか頭になく、気がつくとルートから外れ、頭上を岩で覆われていた。ルート違いの注意がとび、技量のなさを痛感した。 

その後P4も、ところどころ霜や氷のついた場所に注意をしながら、阿弥陀岳の頂上に立った。阿弥陀岳からは赤岳が目の前にひろがり、いままで歩いてきた稜線の険しさも見え、不安から達成感へと変わった。 

帰路は中央稜を下る。不明確なバリエーションとなる。SLが先頭で確認をしながら、ルートを探す。CLは後ろで見守り、大きな指示は出さない。みろくでは、同じ山行が翌年も計画されることがあるが、リーダーはずっと同じとは限らない。次につなげるため、新たなリーダーがルート確認の勉強をする。各個人がつないできた、一人ひとりの安全への取り組みを感じた。 

ところどころトラバースあり、岩稜もあり、バリエーションを注意しながらも、楽しみながら秋のすすき道を下山した。そして、朝と同じ山舟十字路まで無事下山し、安堵の笑みとハイタッチを交わした。 

【CL追記】 

出発する前々日に八ヶ岳に雨が降った。稜線では雪となっている所もあり、残ると凍るであろうとの情報だった。山行当日は晴天が予想されており、実施したいところだが足元が心配だった。アイゼンを必須とし開催を決めた。結果としては素晴らしい晴天の中、素晴らしい紅葉に包まれながらの山行となった。秋の山行は雪のリスクとの闘いとなるが、このような経験をしてしまうとまた同時期に山行を組みたくなるなと思った。今回はメンバーも多く先行パーティの登攀を待つ場面もあったが、下山は驚くほど速く足並みが揃っていた。SLも頑張ってルーファイしてくれた。 

このルートは、みろくの先輩方が下見で苦労しながら開発してくれたルートと聞いている。長く引きついでいかれるといいなと思う。 



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