晩秋の赤岳(真教寺尾根~県界尾根)

県界尾根の小天狗手前から見る赤岳、真教寺尾根、天狗尾根、権現岳

山行情報

日時:2023/10/24 天候:晴れ
ランク:C-C‐7:30 参加:2名
山行担当:CL3840
記録担当:文責:3847 写真:3840, 3847

コースタイム

美し森駐車場5:05…6:09賽ノ河原06:11…6:53牛首山7:05…7:10扇山7:19…8:50九合目…9:14赤岳山頂9:42…11:42真教寺尾根分岐…12:20美し森駐車場

コースマップ

記録日:2023/10/24
合計距離: 14955 m
最高点の標高: 2898 m
最低点の標高: 1472 m

山行記

赤岳への登頂ルートは数多くあり、美濃戸口からの地蔵尾根や文三郎尾根ルートが代表的である。今回、美し森から赤岳まで真教寺尾根を登り、県界尾根を下る、晩秋の南八ヶ岳を堪能する日帰り山行を実施。早朝スタートということもあり、赤岳山頂付近を除き、真教寺尾根、県界尾根歩き中は、誰とも遭遇しないという静かな山歩きと、岩稜登り・下りを存分に楽しめた。

(美し森駐車場~羽衣池~賽ノ河原)
2時30分、会同期のN氏をピックアップし、美し森駐車場に4時50分到着。真っ暗な中、身支度し5時05分スタート。ヘッデンの明かりを頼りに美し森の樹林帯を歩く。笹原の登山道を暫く進み、羽衣池を過ぎると、やや傾斜が増してくる。日の出時刻が近づき、三ツ頭、権現岳のモルゲンロートが左手に見え、6時09分、開けた賽ノ河原に到着する。牛首山の紅葉したカラマツが朝日を受け、より一層オレンジ色に輝き、その先にめざす赤岳の山頂が見える。

(賽ノ河原~牛首山~扇山~六合目)
カラマツ林の尾根を進み、天狗岩を過ぎたあたりで南西側の視界が開け、遥か先に薄い雲海の上に浮かぶ富士山が見える。天狗岩から斜度がさらに増し、最初のチェックポイントの牛首山(2,279m)に6時53分に到着し小休止。ここから扇山を経て緩やかな尾根道が暫く続いた後、一旦下りになり、登り返すと7時59分、六合目に到着する。

(六合目~真教寺尾根分岐~赤岳山頂)
本格的な登りが始まる。ジグザクの登山道で標高をグイグイ上げていき、バリエーションルートの天狗尾根が見えるガレ場から、いよいよ岩稜登りに。鎖が設置されているがとにかく長く、一歩一歩慎重に登る。立ち枯れ帯あたりからは天狗尾根の大天狗、小天狗が見える。いくつもの鎖場を登り、露岩のヤセ尾根を進むと8時50分、最上部の岩稜が始まる九合目に到着する。見上げる先に真教寺尾根分岐が見える。今日の核心であるルンゼ状の岩壁を約20m垂直に登る(緊張のせいか、写真撮り忘れる)。振り向けば、尾根の延長線上に富士山が見える絶景。竜頭峰を経て9時14分、赤岳山頂に到着する。山頂からは360度の大パノラマ。八ケ岳ブルーとまでは言えなくも、横岳、硫黄岳、天狗岳、その先の蓼科山まで見通せる。山頂手前で、大きな荷物を背負った頂上山荘の小屋番の人たちと遭遇。今日が小屋締めとのこと。小屋横で食事休憩。

(赤岳山頂~県界尾根大天狗・小天狗~登山口入口~車道~美し森駐車場)
山頂からの絶景を堪能した後、小屋裏の県界尾根口へ。下を覗くと、残雪が凍った状態の急な岩稜の下り。チェーンスパイクとヘルメットを装着し、鎖を頼りに下山していく。県界尾根上部では長い鎖場が続き、一部、後ろ向きに下りる。七合目からは、長い梯子と鎖で崖のような岩壁を下る。樹林帯に入ると傾斜が緩くなり、小天狗まで歩きやすい尾根歩きとなる。小天狗手前の開けたガレ場から見る赤岳の雄姿が素晴らしい。小天狗からは尾根を外れ、南側の急斜面を登山口に向け下山していく。黄色いカラマツ、赤いカエデ等、見事な紅葉を見ながら大門沢林道を歩く。途中の真教寺尾根分岐を直進し、林道入口から車道を美し森方面へ歩き、12時20分に駐車場到着。駐車場には、美し森のハイキングコースを歩く大勢の観光客が。いつものように、ご褒美のコーラを飲み干し、長坂ICから中央道に乗り、渋滞にはまることなく、15時20分無事帰宅。

今回はN氏の山行下見も兼ねていた。八ケ岳の一般登山ルートで、難関とも言われる急傾斜の切り立った岩場登りへのチャレンジ、残雪が凍った急傾斜の岩稜下りなど、スリリングな場面もあり、変化に富んだ南八ヶ岳を楽しめた。慎重な登りが求められるが、岩稜登りを楽しみたい人にはおすすめ。登山者も少なく、自分のペースで登れるのも魅力のひとつと言える。



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