横岳・杣添尾根 (雪山テント泊)

幕営地に到着

山行情報

日時:2023/02/11 ~ 2023/02/12 天候:晴れ/曇り
ランク:D-C-6:00 参加:6名
山行担当:CL3730 SL3005
記録担当:文責:3939 写真:3730, 3785, 3939

コースタイム

1日目:横岳登山口13:00 … 13:50車道交点
2日目:車道交点6:15 … 9:50三叉峰10:00 … 10:25山頂10:35 … 13:00車道交点13:50 … 14:15横岳登山口

コースマップ

山行記

1日目

車で海老名から総勢6名で出発した横岳・杣添(そまぞえ)尾根の会山行。前日の降雪のため、駐車場には20センチ程の積雪。着くなり雪かき開始である。 車を停めてテント場まで約50分、各人20キロ超の荷物を担いで緩やかな雪道を歩く。 

テントを設営して鍋パーティーで早めの夕食。 酒も進み、楽しい時間にみんなが笑顔になる。ほとんど自分の黒歴史を話してた気がする。解せぬ。 



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2日目

翌朝は6時出発である。新人の自分は、一つ一つが先輩たちより遅くなりがちなので4時に起床。凍結を防止するためビニール袋に入れシュラフの中に突っ込んだ雪山靴を履いて集合。ヘッドランプがまだ暗い雪道を照らし出す。 

横岳・杣添尾根登山開始である。 

自分は登山経験1年半でチェーンスパイクの経験はあったが、本格的な雪山は今シーズンが初である。昨年12月から今日まで12爪のアイゼンを着けて登ったのは黒斑山、谷川岳(途中撤退)、赤城山、蓼科山。何れも雪が少なかった。そのため、雪山初心者の自分でも登れていた。登れる気になっていた。しかし、今登っている杣添尾根は、前々日の雪で今までとは違っていた。

徐々に傾斜がキツくなっていく中、アイゼンが雪面を捉えきれずに足が滑る。一歩踏み出して踏ん張って体を持ち上げる、と同時に後ろ足が滑ってなかなか前に進めない。蹴り込み、歩幅、体重移動、バランス、すべてが雪に負けていた。無駄な動作の繰り返しで、息も荒くなり汗も出るほど暑くなる。 

こんな事ではみんなとペースを合わせて登ることなどできない。ならどうする、考える、やるしかない。今、この場で、成長する、それしかない。まずは蹴り込みを強くする、フラットフッティングは崩さない、そして丁寧に体重を移動していく。今まではしっかり体重を移動しきれてなかったことに気づく。気づかせてくれたのは鷹取山で教わったあの言葉 「足の上に肛門を持ってくる!」である。雪面を蹴り込み、足の真上に肛門を持ってくる様に上半身を移動して、足から頭までが縦に一本の線で繋がる様にイメージ。その瞬間にカチッと音がするように脳内にスイッチを作る。 

蹴り込む、体重移動、カチッ、蹴り込む、体重移動、カチッ、蹴り込む、体重移動、カチッ。黙々とこれを繰り返して体に脳に覚え込ませる。無意識に体が動くように脳内でカチッカチッカチッ、ひたすら繰り返す。前を歩くCLの動きを見る。自分より体重移動が静かな印象。前後の体重移動が少なく無駄な動きをしてない。イメージを修正、取り入れる、上半身の動きを抑える、股関節と腰骨の動きで体重移動をする。カチッ。 

これでいい。歩き始めは滑って進めなかったが、その斜面より急な登りでも滑らなくなる。これから何時間もこれを練習しながら登って行ける。山頂に着くころには体が覚え込み、脳に染み込み、無意識に歩くことができるようになっているはず。その時は自分の雪山歩行レベルが確実に上がっているであろうことを予想する。一歩ずつ歩きながらそれを想像した時、ニヤリと顔が緩んだ。 

三叉峠まで来た。ここまでは風も穏やかで行程は順調。ここから先は稜線に出るため、風が強くなる事が予想された。案の定かなりの強風の中、岩をブラインドに慎重に進んでいく。山頂まであと少しだ。 

ハシゴを登り、風に耐え、パーティーは見事山頂に到着した。お互いがお互いを讃え合い喜び合う。雲はあるが素晴らしい景色が広がり、一瞬みんなの疲れを忘れさせてくれる。 写真を撮り素早く下山に移る。途中、往路では見られなかった、雲の切れ間に完成する富士山と赤岳の見事な構図の景色に見惚れながらシャッターを切る。 

無事にテント場まで戻ってきた一行は、手早くテントを撤収。荷物をまとめるが、各人重いリュックに溜息混じり。20分強で駐車場まで戻り一安心。車に乗り込み近くの温泉へ。そしてラーメン屋、コンビニを経由して横浜駅で解散。 

自分にとって初の雪山テント泊、昨年12月に入会した自分の参加を承認してくれたCLには本当に感謝しかない。メンバーの人達も、皆さん山が好きな人ばかりでずーっと楽しい時間しかなかった。みろく山の会に入って本当に良かったと、最近毎日思っている。 

CL追記】 

しばらく積雪がなかったが、前々日の大雪と前日にアタックした別パーティーのトレースで、ほど良いコンディションだった。アタック当日の稜線上は20m近い強風だったが、何とか全員で山頂を踏めて良かった。 



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