二子山・大ナゲシ北稜(プチバリ)
山行情報
日時:2022/10/27 ~ 2022/10/28 天候:晴れランク:C-C-8:30 参加:7名
山行担当:CL 3060 SL3645
記録担当:文責:3722, 3198 写真:3060, 3198
コースタイム
1日目:二子山倉尾登山口10:20 … 10:30股峠 … 10:50二子山東岳11:00 … 11:30股峠 … 12:15二子山12:35 … 13:45ローソク岩 … 13:55股峠 … 14:00倉尾登山口
2日目:赤岩橋登山口6:42 … 10:00野栗沢諏訪山10:15 … 12:00小ナゲシ … 14:25大ナゲシ14:35 … 15:00大ナゲシ分岐 … 15:10赤岩峠 … 16:55赤岩橋
コースマップ
二子山 大ナゲシ北稜山行記
1日目:「おーい熊はいないだろなぁ⁈」
本日の目的地二子山倉尾登山口920mへは海老名駅から好天のなか順調に到着。雨の心配が要らない山行の朝は気分的に楽しみが倍増し、食欲の秋なのか、すでにお腹が空き気味で10時に出発となる。
登山口からいきなり予想以上の急登が表れ、朝一番で脚が悲鳴を上げるも15分ほどで股峠分岐点に到着する頃にはすでに汗が額から流れ落ち一息入れられホッとする。
実は数日前に、この二子山でなんと登山者が岩稜で熊に襲われた映像がYoutubeにアップされ、自分も含め多くの人がこの動画を視聴したばかりだった(この映像は下に掲載させていただきました)。みろく山行では熊除けの鈴は御法度だが、事前にCLから特例としてこの日ばかりは装着準備をして登山となり、賑やかな鈴音色と共にまずはウォーミングアップとして東岳を目指すことに。
短い鎖場や岩稜帯を通過しながらあっという間に30分ほどで東岳山頂へ到着。この山頂からは両神山系が目前に表れ、機会があれば訪れたいと感じた。そして股峠にピストンで戻りいよいよ西岳へ。数歩歩きだすと東岳と比べて難度が格段と上がったことがすぐに感じらるほどの岩場が現れるが、一同さらに楽しい様子が伺える。しばらくすると、一人の無ヘルメット登山者と垂直に切り立った鎖場付近で遭遇。どうも岩場に慣れていないうえルート迷いの様子に、CL/SLの判断で巻道まで同行するようアドバイスをし、登山者は無事下山。
この西岳側は東峰、中央峰、西峰とに連なる岩稜帯だが、東峰に登り上がりふと前方を見ると、地図上で感じるより数倍は長い距離に思えるほどに遥か彼方まで続く岩稜帯にワクワク感が倍増となる。三角点のある中央峰を12:40頃に過ぎる辺りからの尾根は連続する2〜5mの細かい登り降りがほどよく表れ、意外と歩きやすかった。岩のホールドはおそらく雨雪の侵食の影響からかノミで削ったような鋭利な筋状も多く、気を使った。
いつの間にか本日のハイライト?的なYoutubeで見た熊襲撃のシーンとそっくりな痩尾根となり、その画像を思い出し時折ピッ、ピー、ピーと吹く熊除けの笛もいつの間にか強くなっていた。なぜか岩場の怖さより熊襲撃の怖さが気になるも無事西岳通過となる。西峰から下降し始めると西登山口との分岐路となるのだが、ここで7〜8mの鎖場を明日の山行練習を兼ねての懸垂下降で全員さっと降り立ち、帰路の股峠を目指す。登山ルートが決まっているプチバリとはいえ鎖場、懸垂下降、痩尾根そして熊遭遇の心配等は通常の岩稜帯山行より実にスリル溢れる山行となった。
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2日目:「難関のヤブ岩稜を行く」
今日は二子山・大ナゲシ北稜山行の2日目。実戦で懸垂下降をするのは初めてだ。ルーファイ必須とある。
北稜のルートは、赤石橋登山口から大ナゲシまで北から南へバリエーションルートを歩く。途中、P1073野栗沢諏訪山、小ナゲシなどいくつかのピークを越える。体力を使う長い急登、少しも気の抜けない急斜面の下り、2箇所の懸垂箇所が待っていた。
1つのピークに立つと次に進むはずの方向は切れ落ちている。ヤマレコのログは確かにこの方向なのだが。さてさてどこから降りようか。周囲の急斜面をのぞいて皆でルートを探す。また、細尾根の先にはここにも岩々がドーンと立ちはだかり行く手を遮る。直登か、巻くのか、またまたルーファイ。ヤマレコのログはあっても、このルートは一筋縄ではいかないことを思い知らされた。当たり前だが、崖を一度懸垂で降りたら、後戻りはできないのだ。
リーダー中心にメンバー皆が協力し合って一つひとつピークを越えてゆく。緊張感いっぱいだ。ルートを探し当てるたびホッとしてお互い喜び合う。これがプチバリ山行の楽しさなのかもしれない。二子山もそうだが、西上州の山々は地上からニョキニョキと天に向かって、巨岩がそそり立っているように見える。自分たちの今歩いている尾根もその尖がったピークを繋いでいるのだ。季節は秋真っ盛り。周囲にみえる木々は色づき、心を和ませてくれる。
ルーファイに何度も悩みながらも、同じ回数の達成感を味わいつつ、大ナゲシの山頂に立った。視界がドーンと開け、両神山など周囲の山々が目に飛び込んできた。赤、黄、緑の可愛い木々の丸模様が岩山の裾に散らばって見え、なんとも美しい。皆で感動を分かち合い下山する。
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【CL追記】
二子山頂上付近でクマが上から襲ってきた動画を見た際は、二子山東岳・西岳はパスしようかと思った。しかし、参加者からの「ワイワイガヤガヤ行きましょう!」という言葉に後を押され、熊鈴、笛、カウベルを鳴らし、ワイワイガヤガヤと行くことにした。幸い、熊ちゃんが我々を敬遠してくれたようだ。
大ナゲシ北稜は相変わらずルーファイを要する上級者コースだ。ガイドツアーが入っているらしく、真新しいしっかりした懸垂点が設置されておりお借りして懸垂できた。