南アルプス 鋸岳~甲斐駒ヶ岳
山行情報
日時:2021/05/02 ~ 2021/05/04 天候:1日目:曇りのち雪 2日目:晴れ 3日目:晴れランク:D-D-10 参加:3名
山行担当:CL3632
記録担当:文責:3420 写真:3632、3256
コースタイム
5/2 仙流荘08:05 - 歌宿08:40/09:10 - 河原09:50 - 渡渉12:00 - 横岳峠分岐13:00 - 大岩下泊場15:00
5/3 泊地05:50 - 角兵衛沢のコル09:30 - 鋸岳10:00 - 小ギャップ10:40 - 鹿窓11:40 - 第三高点12:20 - 大ギャップ13:00 - 第二高点14:00 - 中ノ川乗越14:50 - 熊穴沢の頭15:40 - 六合目小屋17:50
5/4 泊地06:30 - 甲斐駒ヶ岳09:30/10:00 - 駒津峰11:30/11:50 - 仙水峠13:00 - 北沢峠14:20 - 歌宿15:40/16:15 - 仙流荘16:45
山行記
1日目
正月山行で出かけたが、メンバーが転んで頭を打ったので中止となった鋸岳。この連休は北鎌の予定だったが、北アルプスは天気が悪く、それならとリベンジに向かった。
二度目だがすっかりなじんだ気分の終点で一夜を明かし、バスにて歌宿まで。寒気が下りてきて稜線は雲の中。風が強く雪なのだろう。鋸岳もガスの中。トイレに入って支度を整えて、いざ出発。少し林道を歩き道標を左に降りて河原までかなり降りる。丹渓山荘に寄ってみたが、廃屋。しかし、使用感もある。河原を下って鋸岳を示す道標のあたりで対岸に渡る場所を探す。水が多く石伝いに渡渉できる場所を探すが諦めて、靴を脱いで膝くらいまで水に浸かり渡る。角兵衛沢の登り道には赤テープ、トレースともしっかりして明瞭。ガレ場まで登り、やがて右に回り込むと岩小屋。かなり良いテントサイト。晴れていれば夕焼けが美しいという。しかし、本降りの雪になる。明日は様子見して出かけようと4時起きにする。19時ごろ寝る。
写真をクリックするとスライドショーになります。
- 仙流荘のバス停。正月にも来たので、また来たぜ、っていう感じ。
- バスの終点、歌宿。トイレもある。ココからいよいよ始まる。鋸岳はガスの中。
- 林道(バス道)から河原に降りたところ。
- 廃屋の丹渓山荘を見たあと、対岸へ渡るところを探して河原を歩く。
- 30分以上探した挙句、諦めて靴を脱いでジャブジャブひざ丈くらいのところを渡る。雪解け水がしびれる。
- いよいよ角兵衛沢の登りに入る。
- 赤いプレートがいくつか打ってあった。
- 樹林を抜けガレ場になると、泊まり場、近し。
- 着きました。三ツ峠のような大きな岩場の下に天場がある。
- 幕営したところ。
2日目
朝は、快晴になっていた。長く続くガレ場を上がりコルが近ずくと人がいる。単独で一昨日からきているという。昨日はここに泊まり寝坊して鋸岳をピストンした。一人なのにこんなに遅くまで天場にいて不思議。速いだろうとお先にどうぞというが、遅いので後から行きます、との返事。結局、一人でラッセルとルートファインディングが不安で、誰も来なければ下山しようとしていたんだろう。この先、ずっと後から付いてきた。
稜線に上がりアイゼンを付けた。鋸岳までは普通の雪道。懸垂で降りると、長い鎖場。ロープを出していたので、そのままリードクライミング。登ったところから次のコルへどう降りるのか、右を探し左を探し、鎖の土台のあるあたりから5ⅿくらい降りてトラバースと探すまでが難題だった。降り始めれば、どうってことはない。コルから少し上がると鹿窓。窓に鎖が付いているが降りずに稜線を上がる。甲斐駒までトレースはなく、あるのは小さな獣(ウサギ?)の足跡。けもの道と人の歩く所と、離れては時々重なる。第三高点に着き、大ギャップへの懸垂下降点を探すが、捨て縄もピンも見つからない。風も強く真剣。トポを見て、ココかというところをハイマツを支点にしてトラバース。枯れたダケカンバにロープをかけて大ギャップへ降りる。降りたコルも狭く、懸垂下降もその地点に降りなければ不安定になってしまう場所。戸台側に雪のルンゼを下る。100ⅿ近く降りて左に回り込み、ラッセルして上がり崖の右下を上がると、第二高点に着く。鋸岳(第一高点)からここまでほんの僅かの距離なのに5時間もいる。
ここまでずっと緊張。やっと解放される。泊り場ははるか先なのに疲労感もある。ココからは長いアルバイトが続く。中ノ川乗越に大下りして、熊穴沢の頭に登り返すあたりから、木の間をウサギの足跡を追いラッセルが続く。やがてハイマツ泳ぎも始まり体力をそがれる。この辺りでデジカメがポッケから落ちてしまったらしい。明かりが夕陽のようになり、くたくたになって六合目の小屋に着いた。疲れすぎたのか、前夜眠りすぎたのか、この夜はほとんど眠れず。山で眠れないことはなかったが年か?
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- 前夜から積もるくらいの雪になったので、少し遅らせて出発。
- この連休は寒気が下りてきていて寒かった。風も強かった。
- 角兵衛沢のコルが見えてくる。
- コルから八ヶ岳。雪が少なかった4月前半より多いように見える。
- 左から、北岳、間ノ、奥に塩見、右に大きく仙丈。
- 甲斐駒が姿を現しました。遠く大きい。
- 鋸岳で記念写真。
- 懸垂で小ギャップに降りて、鎖場をアンザイレンして上り返し。
- 鎖の付け根に支点を取りビレイ。後続の白いヘルメットの単独行者。ルーファイとラッセルを嫌って後からずっとついてくる。
- このトラバースルートを探すために右往左往したのが怖かった。落ちれば今朝の天場に一直線。
- 少し登って鹿窓。雪があるのでこのまま稜線伝いに進む。
- 残置ロープと絡まって面倒。風も強く、緊張。この後、大ギャップからガレ場を降りて第二高点へ上り返す
- 第二高点に着く。第一高点(鋸岳)からここまで緊張の連続。ほんのわずかの距離なのに5時間もかかった。行く手に見えるのは、甲斐駒。
- 中ノ川乗越に下りる。
- 6合目小屋。やっと着いた、12時間行動。自分の弱さを実感。 この日デジカメをなくしてしまった。
3日目
翌日は風も落ち着き暖かになる予報だったが、甲斐駒に着くまで風は強かった。雪面にトレースを付けながら、時に膝までのラッセルをしながら進む。今日も鎖場がある、やさしいが。偽ピークがいくつかあり、中々着かない。稜線に登山者の姿が見えだすと愈々山頂近し。44年ぶりの甲斐駒に着く。長くきつい行程だった。登山者が行きかう。祠には草鞋がたくさん。写真を撮り、景色を堪能する。風の弱いところで大休止。会山行でできるだろうか、とメンバーと話す。駒津峰、仙水峠、北沢峠と歩き、歌宿から最終バスで仙流荘へ。帰りは大渋滞で帰宅は深夜1時頃。
心身共に鍛えなおす必要を感じた山行となった(今から? ´艸`)。
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- 疲れすぎたのか前夜ほとんど眠れなかった。こんなことは初めて。今日の行く先。
- この日も鎖場がありました。
- この日もトレースを付けながら進む。風もあり寒い。後ろは鋸岳。
- 巨岩を縫って道を付ける。
- ラッセル、強風、寒気。5月というより3月? 偽ピーク多くなかなか着かない。
- 着きました。
- ここまで来ると登山者がいて、写真を撮ってもらう。自分だけヤッケ、他の二人は雨具。
- 北岳
- 摩利支天付近。駒津峰に向かって歩く。向こうは仙丈。
- 駒津峰から北岳。
- 駒津峰から甲斐駒。
- 駒津峰から鋸岳。
- 仙水峠
- 北沢峠を経て歌宿まで。最終バス。
- きょうの強い風と午後からの暖かさですっかり雪が見えない鋸岳。あんなわずかの間なのに、いろいろあった。