越後駒ヶ岳・平ヶ岳

姫ノ池、池塘越しの平ケ岳

山行情報

日時:2021/10/12 ~ 2021/10/14 天候:10/13 雨のち曇り、 10/14 晴れ
ランク:C-C-10:00 参加:6名
山行担当:CL 3465 SL3060
記録担当:文責:3559,3699 写真:3465

コースタイム

2日目 越後駒ケ岳
枝折峠登山口 05:33…05:59 明神峠 06:04…06:50 道行山 06:50…07:26 小倉山 07:26…08:02 百草の池 08:02…09:25 駒の小屋 09:25…09:40 越後駒ヶ岳 10:08…10:28 駒の小屋 10:42…11:14 百草の池 11:14…11:52 小倉山 11:52…12:23 道行山 12:23…14:30 銀山平

3日目 平が岳
中ノ岐林道登山口 05:24…07:24 玉子石 07:29…07:54 池ノ岳 08:30…08:41 平ヶ岳 08:47…09:08 池ノ岳 09:26…10:30 白沢清水10:30…11:06 台倉清水 11:34…11:48 台倉山 11:48…12:40 下台倉山 12:47…14:27 鷹ノ巣登山口

山行記

1日目 湖山荘へ 2日目 越後駒ケ岳

夜明け前のうす暗い中、枝折峠登山口から整備された快適な登山道を、越後駒ヶ岳を目指して登っていく。紅葉が見事な季節だが、小雨のなか時折空けた中に、期待していた雲海、滝雲、紅葉谷筋、雪渓、等々が遠くに見えた。本当に綺麗だった!

全員気合いを出して、明神峠、道行山分岐、小倉山、百草の池を通過して駒の小屋にたどり着いた。そして駒の小屋にザックをデポして、駒ヶ岳山頂に到着した。

さぁ~、時間はまだたくさんある。天気もまずまず、悪くない。頂上で山座同定をして、やる気も出てきた。皆で相談して中ノ岳方面にプラスアルファで自由参加で歩くことが決まった。
結局は半々の3名、3名に分かれ、中ノ岳、グジガハナ分岐で別れた。

プラス組3名は天狗平まで往復して、枝折峠登山口で予定していた迎えのバスに乗ることになった。私たち、即下山組は駒の小屋でのんびりしてから気軽に道行山ルートで下山した。

今回の越後駒ヶ岳は登山者が少なかったので、静かな山容と滝雲の変化のなか、紅葉を満喫することができ、いつもより楽しい山行だった。



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3日目 平が岳

天候に恵まれた3日目は、百名山の越後の孤峰「平ヶ岳」。

一般登山道で登ると歩行時間11時間余りかかるルートを、宿のマイクロバスで夜中3時50分に出発し、通称「酷道」という悪路を1時間半ゆられ、最短ルートの中ノ岐登山口へ。登り2時間短縮できるプリンスルートだ。今の天皇陛下が若い頃に登ったルートだという。

登山口すぐの光コケ鑑賞に出だしから寄り道をし、いきなり始まる急登。昨日の雨でぬかるみも多く、ふぅ~ふぅ~言いながら登っていると、「グチを言わずに、足をだせ!」との看板。夜が明け、周りの越後の山々に日が当たり、モルゲンロートを見ながら元気をもらう。

3時間の登りを2時間で登ると、草紅葉の中に池塘が点在する高層湿原とたおやかな山が周りを囲む別天地にでた。頑張って登ったご褒美には、有難すぎる景色。少し右に行くと不思議な形の花崗岩「玉子石」。ここからは木道歩きで山頂を目指す。

三角点のある2141m頂上で、6人そろって記念撮影。山頂部もゆるやかな稜線に一面の草紅葉と池塘群。ここが夏にはお花畑になる。次は姫ノ池。ここがまた最高のロケーション。池塘群の向こうに連なる峰々は、白雲の中の越後駒ケ岳、中ノ岳、八海山。新潟の山容はなぜか優しい。

そして標高差1,301mの長い下山が始まる。正面に東北地方最高峰の燧ヶ岳、少し右に至仏山、武尊山、今登ってきた平ヶ岳、後ろには奥只見湖を見ながら、緑のササの斜面と色づき始めた紅葉の木々の中を、青空に見守られながら歩く登山道。どこもかしこも絶好のフォトスポット。オオシラビソやダケカンバの樹林帯に入ると、湿原に定番の木道が始まり、日の当たらない部分はかなり滑りやすく神経を使う。眺望の良い台倉山と下台倉山を結ぶ道は、太陽があたると紅葉の彩りが際立ち、皆お互いに写真を取り合ってしまう。

笑っていられるのもここまで。急なやせ尾根が始まる。ザラザラとした砂礫に、部分的に岩盤が露出しロープの岩場が次々に現れる。ところどころ太い木が大岩に根を張り、この根が大きな段差を作っている。前坂を過ぎ、下台倉沢を渡り、林道が現れた。下山完了。

最後のご褒美は、予定より早く着いたバスが来るまでのたっぷりなくつろぎの時間。

船着き場までバス15分。ここから遊覧船に乗り奥只見ダムまでの船旅。周囲を急峻な山や奇怪な岩に囲まれ、後ろを振り向くと最後まで丁寧に私たちを見送てくれる燧ヶ岳。初めての越後の山は、野口健の言う「登って感動、下って感謝」そのものだった。



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【CL追記】

当初の計画では、初日、荒沢岳、2日目平ヶ岳であったが、初日の天気が思わしくなく、雨の中、鎖場のある荒沢岳登山は危険と判断し、参加者の賛同を得て荒沢岳から越後駒ヶ岳に変更して決行。

初日、予報通りの雨の中の出発となったが、駒の小屋到着時は一時的に雨も上がり、燧ヶ岳、至仏山、上州武尊など360度の絶景に参加者全員感動。行先変更した我々に天気も気を使ってくれたようだ。

2日目は、初日とは打って変わっての快晴。登山口から中ノ岐分岐までの急登、その後の玉子石、池塘など平ヶ岳頂上に至る変化のあるたおやかな木道歩き、池ノ岳から終始紅葉の絶景を満喫できる下りと、変化のあるコースに満足感いっぱいの1日となった。早めに到着した平ヶ岳登山口でバスの時間まで持参したお酒を酌み交わしながら2日間の充実した山行を締めくくった。

今回断念した荒沢岳よ、そのうちに行くので待ってろよ・・・。