槍ケ岳(北鎌から転進の東鎌尾根)
山行情報
日時:2022/05/02 ~ 2022/05/04 天候:晴れ、雪、晴れランク:個人山行 参加:3名
山行担当:CL3632
記録担当:文責:3420 写真:3632、3256、3420
コースタイム
5/2 上高地06:00…徳沢園08:00…横尾09:00…一ノ俣10:10…槍沢ロッジ11:00…ババ平12:10…引き換えし地点14:00…泊地(ババ平)14:30
5/3 泊地05:20…水俣乗越08:10…ヒュッテ大槍12:50…肩の小屋15:30…槍ヶ岳山頂16:00…肩の小屋16:20…泊地18:30
5/4 泊地07:00…槍見河原08:20…横尾09:10…上高地12:20
山行記
1日目
ここ数年GWは北鎌尾根の予定だったけれど、緊急事態宣言や寒波などで延び延びになっていたが、いよいよ今年はできるか、と出かけることになった。
前日の降雪で河童橋からの穂高は白く光っていた。快晴の春の道を横尾まで歩く。なぜかスターウォーズの兵士も一緒だ。槍沢ロッジに着くと、ようやく雪道になる。ババ平に着くころ雪がちらほら。そのまま水俣乗越を目指すがどこか分からない。雪はどんどん本降りになり冬山の様になる。GPSでこの辺りが正規のルートかというところを確かめ下山することに。ババ平に戻り、北鎌は厳しそうなので、メンバー誰もトレースしたことがない東鎌に行くこととして寝る。
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2日目
天場には20cmくらいの新雪。トレースのない雪面をラッセルしながら水俣乗越目指して登る。手前で右の小尾根を乗越して東鎌の稜線に上がった。真っ白な北鎌尾根が見える、遠く劔までも見える、天気は快晴だ。
水俣乗越で休んでいると後続パーティが登ってくるのが見え、おーいと声をかけてきた。東鎌は夏は一般道だし楽勝と思っていたが、とんでもなかった。脛から時に膝上の春の重い雪のラッセルがずっと続き、雪庇と細い雪稜に緊張しながら歩いた。新雪がかなり積もっていて、景色は冬山の白さだった。行く先に雪がこんもり見えるところは、歩いて降りられるのか懸垂かと、尾根から滑り落ちないように前途を探しながら歩いた。
後続パーティは、我々との距離を見測りながらずっと後をついてくる。ヒュッテ大槍で休んでいると、図らずも追いついてしまい、「ラッセルありがとうございます」と仰った。喉まで出かかった言葉があったが、こういう人たちに言うのはもったいないので止めておいた。ここまで来ると大槍は近くもうすぐだ、と思えたが、そうではなかった。浅いルンゼをいくつかトラバースしなければならなかった。ずっと緊張していると、気持ちがだんだん疲れてくるのが分かった。
トップ交代は、体力だけでなく心を休める意味もあるのだ。夏の倍以上の時間をかけてようやく肩の小屋に着いた。途中では、時間がかかって肩の小屋までつけないかとか、天場まで帰れないかと、考えながら歩いたが、ババ平まで帰れそうだ。筆者以外の2人が大槍に登って、夕暮れ迫る中、天場を目指した。大曲りを過ぎて少し行った頃、アイゼンのジョイントの金具が折れた。上でなくて良かった。
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3日目
今日は下山日、のんびり。槍見河原では槍が良く見えた。河童橋までたどり着き、生きて帰って来られてよかったと安堵。いつものお風呂で暖まり、そばを食べて帰った。
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