谷川岳マチガ沢(雪山)
山行情報
日時:2023/04/08 ~ 2023/04/09 天候:雨/雪・曇りランク:D-D-1:00 参加:10名
山行担当:CL3420 SL3217
記録担当:文責:3687 写真:3217, 3420
コースタイム
谷川岳登山指導センター5:50…6:20マチガ沢雪上訓練13:50…14:10谷川岳登山指導センター
山行記
堅い雪渓でのアイゼン・ピッケル・ロープワーク練習にマチガ沢へ行った。谷川岳登山指導センターに着いたときは雨となり、夜からは雪に変わった。訓練メニューは次の通りで、早朝から開始された。ツボ足ピッケル有り無し歩行、アイゼン歩行、滑落停止、ロープワーク、腰がらみ、スタンディングアックスビレイ、コンティニュアス、アンカー設定(スノーバー、レジ袋)、耐風姿勢。
アイゼンなしでの歩行は「真っすぐに立つ」ことがコツだ。わかってはいても、急な斜面で腰が引けるし、堅い雪に蹴り込む力が不足していた。繰り返し行う「急登と直下降にトラバースの歩行訓練」と聞くと単調な歩行訓練のように思われるだろうが、そんなことはまったくない。CLから1セットごとに具体的なアドバイスがあり、そのつど、歩きが改善されていった。歩行がとても重要だと、その先の訓練が進むにつれ身に染みた。歩けなければなにもできない。
スタンディングアックスビレイでのマルチピッチは、手袋をしていてもスムーズにギアラックからカラビナを外し支点構築し、またビレイ解除から回収までできるよう練習したい。実践的に得た知識は、強度を増すために体重をかけた軸足をスリングのカラビナ近くに置くことや、パートナーのルートを考えた身体の向きなどだ。
コンティニュアスは、滑落を止める際ハンドコイル分の猶予があるシステムだ。その貴重な時間でしっかり止めるには「もし」「今」「ここで」を常に考え行動し、ロープも丁寧に扱わないといけない。アンカー設定は当初メニューのほか、雪面に現れている枝にカウヒッチを複数回行いアンカーとする方法などを紹介していただいた。
時おり雲間から見える白毛門やトマの耳越しの碧空、谷間を吹きあがる風の音、顔を出したフキノトウ、新しい事を覚えた興奮と心地よい疲労、五感で「雪山」を楽しんだ。今回の山行で特筆すべきは食事作り。最強メンバーによる手際のよい抜群に旨い夕飯だった。10人分だというのに適量の神業で、こちらも習得するにはまだまだだ。
【CL追記】
雪上歩行訓練は繰り返し繰り返し毎年行い、そのつど違う雪質で訓練し、様々な状態の斜面に対応できる歩き方を覚えます。そこに滑落停止やロープワークを覚えて応用力を付けます。この雪上訓練で覚える歩き方は、夏山の縦走や沢登りなどあらゆる歩き方に通じるものとなります。参考書を読み自分で考え、危険回避を意識しながら実践経験を積み、雪山のリーダーになっていきましょう。
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