国東半島ロングトレイル(豊後高田コース)

富貴寺の山門

山行情報

日時:2023/03/27 ~ 2023/03/30 天候:晴/晴/晴/晴
ランク:B-B-6:30 参加:17名
山行担当:CL2812 SL2797、3129、3637
記録担当:文責:3779、3821、3836、3780 写真:3637、3559、2812

コースマップ

記録日:2023/03/27~2023/03/30
合計距離: 58708 m
最高点の標高: 480 m
最低点の標高: 28 m

標高図の地点をマウスで動かすとマップ上でその地点がわかります。
マップの直線部分は車での移動部分です。移動の距離と標高差は、5.8km/-310m(27日)、5.2km/+74m(30日)となります。

国東半島ロングトレイルの全体像は以下のようになっています。豊後高田コースはT-1~T-4で示されています。(出典:『国東半島峯道ロングトレイル』 URL: http://kunisakihantou-trail.com/course/index.html)

山行記

3月27日(1日目)

大分空港からタクシーで最初に訪れたのは、日本最大級の大きさを誇る熊野摩崖仏。岩肌に刻まれた不動明王と大日如来、見上げみるお姿はなかなかの迫力だが、素朴で穏やかな表情で気持ちが安らぐ。

歩道を歩き真木大堂を経て、奇岩・奇峰とも呼ばれる間戸岩屋の頂に朝日観音・夕日観音が祀られている。岩峰を登ると次に向かう田園風景の田染荘を眺める事ができる展望所がある。西叡山の山間の舗装路をてくてくと登って行くと大きな溜め池、空木峠池。ここで一息入れてから、かつて京より西を統括していたといわれ、「天空の寺」とも呼ばれる区間終点の高山寺に到着。拝観させていただき駐車場でストレッチをしているとお寺の方からお菓子をいただいた。宿は富貴寺の隣に位置する「旅庵蕗薹」。期待通りの食事と温泉。

国東半島はこの時期、満開の桜と菜の花、田圃には緑の麦の穂、ほのぼのとした景色の中気持ち良く歩くことができた。(文責3779)

【コースタイム】大分空港10:03=熊野摩崖仏11:00…真木大堂13:10…朝日観音・夕日観音13:50…高山寺16:20≡16:40旅庵蕗薹 歩行距離13.5km

記号: =タクシー ≡宿の送迎車



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3月28日(2日目)

当初の計画では、宿の送迎車で高山寺まで送って貰い、そこを始点として、並石ダムまでの15.2kmを歩く予定だったが、これだと距離があり過ぎるので、初めの数キロメートルを割愛し、宿から1.2kmの平原・金政の里まで歩いてそこを始点とすることになった。その分余裕ができ、日本三大阿弥陀堂、国宝の富貴寺でゆっくり拝観できた。また、終点も並石ダムの一つ先、長安寺まで延ばすことが出来た。

この日は、雲ひとつない青空が広がり、日向では20度を超す陽気。山神社を目指し藪の道を抜けていくと、庵の迫名水があり、ほっと一息、皆でのどを潤す。次に目指す海神社がなかなか見えてこず、通り過ぎたかと思ったころようやく現れる。しばらく下ると眼下に桜の海。素晴らしさに歓声が上がる。13時にようやく並石ダムに到着。桜の下では子どもらが戯れ、小川が流れ、水車が回り、桃源郷のような景色を眺めながら30分の昼食タイム。

今日は、ダムから一つ先の長安寺まで歩を進める。一日中隠れては見えた屋山の裾を巻いて行く。途中、三島神社を通るのだが、またまた見つからず。諦めて歩き始めると後ろから声。標識があったようだ。こんなことが何回もあった。

終着の長安寺は、花の寺だけあって、シャクナゲ、ミツバツツジ、サザンカ、ミツマタ、シャガなどたくさんの花が咲き誇って迎えてくれた。帰りに、菱の実で作られた苦逃幸来(くにさき)鬼の足腰のお守りを買い求めて、豊後牛の陶板焼きを楽しみに宿に向かった。(文責3821)

【コースタイム】旅庵蕗薹08:30…平原・金政の里09:00…富貴寺09:40…並石ダム12:40…長安寺15:20≡16:00旅庵蕗薹 歩行距離14.3km



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3月29日(3日目)

朝食後、宿の方に昨日の最終地点であった長安寺まで送って頂きそこからスタート。まずは長安寺でシャクナゲや桜の花を眺めてからの歩き始めとなる。登山道を通って天念寺へ。天念寺の手前の身濯神社、川中不動(川沿いの岩に不動明王の摩崖仏が彫られている)を見学してから天念寺まで向かう。そして天念寺の後ろの山の上に見える無明橋(修行で渡るという橋)を眺めながら、山の上の龍門岩屋へ。そこは鎖場を上り山肌をトラバースし、想像したより険しい場所にあった。

帰りは別ルートを通って無動寺へ。無動寺手前のスペースで昼食。そして椿堂へ向かい見学。ここは本堂の前にたくさんの女性の髪の毛やコルセットが吊り下がっており、かなり不気味な感じ。椿堂の後は今日の最後の訪問地の應暦寺に立ち寄り、今晩の宿の真玉温泉山翠荘~スパランド真玉へ向かう。宿に着き、お風呂に入ってから夕食。前日までと違って、夕食は宴会形式の細長いテーブル配置。夕食後は疲れて(というか飲みすぎて?)すぐに床に入り、3日目は終了。(文責3836)

【コースタイム】旅庵蕗薹08:35≡長安寺09:00…天念寺・川中不動11:20…無動寺12:30…應暦寺14:50…15:40真玉温泉山翠荘~スパランド真玉 歩行距離9.8km



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3月30日(4日目)

今日はロングトレイル最終日で、お天気は午前中は晴れ、午後は薄曇りで、暑くもなく寒くもなく歩き易かった。宿を出発して、国東コースグループとハイタッチをする夷耶馬農村公園駐車場へタクシーで向かう。早く到着したので、近くのK-1コースである霊仙寺・実相院・六所宮を見学して戻ると、程なく国東コースメンバーを乗せたタクシーが到着し、メンバーと挨拶しハイタッチ後、トレッキングをスタートする。

先ずは登山道合流点に向かい、ザックをデポして、数ヶ所の鎖場を経由して本日のハイライト(?)である無明橋をめざした。橋は幅60cm長さ2mほどの二岩板構造のアーチ橋で、一人ずつ渡ることになった。高所恐怖症である故、冷や汗をかきながら、出だしはゆっくりと、橋半ばからさっと歩き、無事渡り切った。他にも私のような人がいたかもしれない。そして、来た鎖場を通り、デポ地点まで戻り小休止して再び歩く。

明睍宮~谷ノ迫摩崖像を経由して飯牟礼神社に到着、昼食を取る。午後から猪群山を目指し、頂上からストーンサークルに寄り、眼下に周防灘を見る。更に、いっぷく望、立石経由で猪群山常磐登山口へ向かう。この頃からトレイル4日目の疲れが出てきて、列も長くなり、唯ひたすら無口で頑張って歩き通し、無事定刻にスタートの山翠荘に戻った。(文責3780)

【コースタイム】真玉温泉山翠荘~スパランド真玉08:00=夷耶馬農村公園駐車場08:20…登山道合流点09:40…中山仙境無明橋10:15…飯牟礼神社12:45…猪群山14:00…ストーンサークル14:10…猪群山登山口15:05…真玉温泉山翠荘~スパランド真玉15:40=16:40大分空港 歩行距離11.8km



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【CL追記】

人数と全体の足を考慮し、コースの一部を割愛、変更したが、概ね予定通りの山行ができた。桃源郷のようなところや日本の原風景の中をのんびりと歩いたり、荒々しいトレッキングコースを歩いたりと、とても変化に富んだコースであった。満開の桜の下での昼食、ソメイヨシノやヤマザクラを愛でながらの歩きは天候にも恵まれ、心豊かになった。

最終日の朝には予定通り「国東コース」のメンバー12名ともハイタッチすることができた。猪群山はいたるところにイノシシのヌタバなど獣の痕跡があったが、我々を歓迎するように1頭のかわいいウリボウとも出くわし、文字通り猪の山であった。無事4日間の日程をこなし、何より全員が何事もなく下山でき、満足のいく山行だった。