コルチナ・ダンペッツォ・スキー
山行情報
日時:2024/01/19 ~ 2024/01/28 天候:概ね晴れランク:スキー 参加:5名
山行担当:CL3155 SL3063
記録担当:文責:3731, 3820, 3063, 3024, 3155 写真:3820, 3731, 3155, 3063 ビデオ撮影:3820, ビデオ編集:3155, 3820
コースマップ
ドロミテ・スキーマップ(全体図) ファローリアとトファーナ・スキーマップ(右側がファローリア、左側がトファーナ) セラロンダ・スキーマップ(セラ山の周りを時計回りで滑走) ラガツォーイ・スキーマップ(4日目に滑走) チベッタ・スキーマップ(5日目に滑走)山行記
はじめに
40周年記念海外山行でツェルマットとグリンデルワルトのスキー山行を企画したが、コロナ禍で消えてしまった。いつかコロナ禍がおさまったらここに行きたいと思っていたが、会山行で行う気力は残っていないので、普段一緒に滑っているみろくの仲間と個人山行で行くことに切り替えた。
以前、シャモニーにスキーに行ったときお願いした企画会社に宿の予約を頼んだところ、今どき2つのスキー場のホテルを4泊程度で取るのは難しいということで、ツェルマットのみにして見積もりを取ったところ、高額になっていることに驚いた。そのため、海外スキーをやっているフェロースキーに聞いてみると、添乗員がつくにも関わらずこちらのほうが安いことがわかり、こちらのツアーに参加することにした。
ところが女性の参加者が1名で、ツェルマットはどうしても1人部屋が取れないことがわかり、そのときには考えていなかったコルチナ・ダンペッツォに変更することにして、最終的に5名で行くことになった。
羽田22時55分発のトルコ航空便で約14時間、イスタンブールでトランジットして2時間半でヴェニス空港に着き、さらに3時間半バスに乗る、という長旅の末にやっとコルチナ・ダンペッツォに到着した。時差の関係でお昼に着いたので街を散策し、街の周りの岩山を見て、翌日からのスキーに期待が膨らんだ。(文責:3155)
写真をクリックするとスライドショーになります。
1月21日 ファローリア・クリスタッロ
巡回バスに乗って、ホテルから見て街の反対側にあるロープウェイ乗り場に行き、途中乗り換えのロープウェイでファローリアのゲレンデに到着した。
眼前には、翌日滑るトファーナとコルチナの街がよく見えた。特に、数日後にワールドカップが始まるために、赤いネットで仕切られている女子滑降のコースが際立って見える。こちら、ファローリア側ではジュニアの大会が開かれているようで、一部は滑れなくなっていた。
イタリアが、日本と違ってスキーに力を入れているのがよく分かるのは、コースの整備状況だった。とにかくコブがなくて、気持ちよく滑れる。しかし、猛スピードで滑るスキーヤーも多いので要注意だ。また何と言っても周りの景色がいいので気持がよく、随所随所で写真タイムを作ってもらいながら滑ることができた。(文責:3155)
写真をクリックするとスライドショーになります。
1月22日 トファーナ
2日目。ドロミテ中心街を走る無料巡回バスで、10分程で着くトファーナスキー場での滑走。ここは、1956年にコルチナ・ダンペッツオオリンピックが開催された場所で、猪谷千春選手が日本人初のアルペンスキー銀メダルに輝いた大回転コースがあることで有名です。
2つの巨大岩に挟まれた迫力あるコースは、3日後に予定されているワールドカップのダウンヒル会場にもなっています。また2年後の2026年、再び開催される冬季オリンピックでもメイン会場になることでしょう。
どこにいても景色が良く、岩峰群に囲まれたスキー場の凄さに圧倒され、快晴の中で標高差のあるロング滑走を楽しみました。(文責:3063)
写真をクリックするとスライドショーになります。
1月23日 セラロンダ
今日はコルチナ・ダンペッツォ・スキーツアーのハイライト「セラロンダ(SellaRonda)」。3,000m級の岩峰・セラ山塊の周囲、標高1,500~2,500mの山麓の約30kmを滑走、ほぼ同距離のゴンドラ・リフト移動で右回りに周回する。
コルチナ・ダンペッツォのホテルからバスで1時間強の移動、コルバラという街に向かう。途中の景色は岩峰が続き、あきがこない。
まずは黄色のゴンドラに乗りスタート。コース上、山塊の反対側も岩峰が続く。ドロミテ最高峰「女王マルモラーダ(3,342m)」も間近に眺められる。ランチは「サッソルンゴ(3,181m)」とセラ山塊の間の乗越しにあるレストラン。眺めが最高(ビーフシチューの付け合わせのマッシュポテトが柔らかすぎだったが)。
中斜面の連続、一部スケーティング必要、雪質は固く腿は疲れるが、ずっと青空快晴。ゴンドラ6本、リフト7本、Jバー1本乗り継ぎ。超快適な約6時間のツアーだった。(文責:3731)
写真をクリックするとスライドショーになります。
1月24日 ラガツォーイ
コルチナの街から少し西に向かい、2日目のトファーナの麓までバスで15分少々。それから新設されたゴンドラに何と30分も乗って、隣のスキーエリアのアルタバディアまで。強風で5つの大きな岩がある目標地点までのリフトが途中で停止。どうなることかと心配したが、風が収まり何とか辿り着く。
風が強くなる前に、今回のツアーの最高地点までゆくロープウェイに辿り着かないと止まる恐れあり、との話に先を急ぐ。途中、2つの岩峰の間を通る二人乗りリフト、そしてそれを越えた向うで忘れられない景色に出会う。何とかロープウェイに乗車できて、ラガツォーイ2,752mの頂上駅へ。
その後は山小屋で飼っているアルパカ、初めて見る氷瀑との出会い、平地を馬車で引かれての移動など、見所満載の1日を終えて帰路についた。(文責:3820)
写真をクリックするとスライドショーになります。
1月25日 チベッタ
さすがに5日目となると疲労が蓄積すると同時に、前日から気温が高く雪が緩んできており、安全第一を肝に銘じて出発。コルチナから南へバスで約1時間。チベッタ山(3,220m)の麓に拡がるスキーエリアへ向かう。
ガイドの表現を借りれば「ひなびたスキー場」とのこと。この日のハイライトは、ゲレンデから湖が見える場所があるとのことだったが、期待したほどの感動は味わえなかった。雪面が荒れて来たため、ひたすらスピードをセーブして安全滑降。最初は感動していた岩峰の景色も当たり前になり、そろそろあきが来始めた。早めに帰るはずが、雪崩で道路がストップして迂回路を使ったため、ホテルに帰ったのは前日と同じ位の時間になってしまった。(文責:3820)
写真をクリックするとスライドショーになります。
1月26日 フリー滑走(ファローリア)
スキー最終日、フリー滑走。1日目に滑った「ファローリア」へ行くことにした。対面にある「トファーナ」はワールドカップ女子ダウンヒル開催で混雑と予測。
今日も快晴。頂上からヨーロッパ6大北壁のひとつ「ドライチンネン(トレチーメ(伊)):{ヤマケイ文庫 星と嵐}」と、1日目に足を延ばした「クリスタッロ」を眺める。三冠王トニー・ザイラーさんの大回転バーン含め、コースはガラガラ(ワールドカップ見物に行ったか?)。気温が上がり雪質は少し柔らかくなり、ストレスのない滑りを楽しめた。
レストランではのんびり気分。テレビの前に人が集まりワールドカップの応援(勿論、イタリア)。表の展望台には、バズーカのようなレンズ付きカメラが3本、カメラマンはITALY、NORGE、U.S.Aのユニホーム、対面のダウンヒルコースを撮っているようだ。2026年の冬期オリンピック女子ダウンヒル中継は、ここからの遠景映像で始まるような予感。ベランダでボンボンベッドを広げ、日なたぼっこをする。「ナ、なんと!我らの岩ガールがJバーに乗っているではないか。しかも2本ノンストップで滑ったぞ!!」(文責:3731)
写真をクリックするとスライドショーになります。
終わりに(参加者の感想)
初めての海外スキー。いくつも驚くことに出会えた。
行く前の自分のイメージは、真っ白な雪山の斜面にあるゲレンデを優雅に滑ることだった。実際は、岩肌むき出しの岩峰。雪が積もった峠に高速のゴンドラで登り、岩山の谷間の斜面をスキーで巡る長距離スキートレッキングだった。峠からは峨々とした峰が続き、日本のスキー場では見られない景色の連続を堪能できた。
このような長距離スキートレッキングを可能とするゴンドラの設置は、夏のトレッキングも考えて設計されていて、いくつかの岩峰の頂上に向かって夏用ゴンドラが掛けられていた。レストラン(ヒュッテ)もコースに多くあり、平日でも適度に混雑していた。このように、シーズンを通してのレジャーが文化として根付いていることに感心させられた。
「行って良かった。百聞は一見にしかず!!」(文責:3731)
ドロミテとはどんな所なのか殆ど予備知識無しで、以前シャモニーで滑った経験があったので、漠然とそのイメージを持って行ったら、全く違う山容に驚かされた。山の高さ、大きさはヨーロッパアルプスに敵わないが、切り立った岩峰がにょきにょき生えていて、そのまわりにスキー場が沢山ある。日本では決して見ることができない景色に出会えた。
感想1:『何で山の頂上までロープウェイが行ってるの?』~2日目に行ったトファーナ山が3,244m。驚くべきは夏季はロープウェイでこのトファーナ山の頂上近くまで上がれること。スキーでは2,700mぐらいまで。
感想2:『ボーダーが殆ど見当たらない!』~おそらく10%を切るくらいの割合で、ボーダーのいないゲレンデの滑りやすさを実感。
感想3:『スキー場各所にある山小屋やゴンドラがお洒落で綺麗!』~日本のゲレンデにあるレストランと比べてみると、物品は一切売っていないし、スッキリして気持ちが良い。ただし飲料の自動販売機があれば、と何度も思った。
何故、このような違いが生まれるのか考察したが、やはりスキー文化の歴史の差なのではないかとの結論に至った。(文責:3820)
諦めていたヨーロッパでのスキー山行が叶えられました!これ以上ない絶景を堪能させていただき、感無量です。ありがとうございました。(文責:3024)
当初予定していなかったコルチナ・ダンペッツォ。フェロースキーのツアーへの参加であったが、結果は大正解だった。過去にヨーロッパでスキーをしたことはあるが、このような岩山が近くに見える絶景の中を滑走できるなんて予想していなかった。
またAさんがGoProで滑走風景を撮影してくれたことも良かった。そのおかげで皆さんが滑ったところを見ることができた。
ただ残念だったのは、2日目の最後に転んで肩を怪我してしまい、残りの4日間滑れなかったことだ。年をとって反射神経が鈍ったせいか、前に出てきた人を避けきれなかった。スキー歴40年以上になるが、このような怪我は初めてだ。これからはもっと間を空けて、慎重に滑ろうという気持ちとともに、もう一度来て滑りたいという気持ちもある。80歳を超えても颯爽と滑るHさんを見習って、いつまでもスキーができればいいと思う。
さて、帰国日はヴェニス空港の出発まで時間があるので、少し観光した。その日の夜から有名な仮面カーニバルが始まるタイミングだったため、賑わっていた。
最後に、お世話になったフェロースキーのガイド兼添乗員のSIさん、現地でガイドをしてくれたSHさんに感謝申し上げて終わりにしたい。(文責:3155)
写真をクリックするとスライドショーになります。