沖ノ源次郎沢(濡れない沢③)

F1の大滝を登りきる

山行情報

日時:2024/02/12 天候:晴れ
ランク:D-C-7:00 参加:6名
山行担当:CL3623 SL3050
記録担当:文責:3774 写真:3623, 3774, 3050, 3686

コースタイム

大倉07:40…09:00戸沢09:05…10:50沖ノ源次郎F1 11:00…12:30 沖ノ源次郎F2 14:00…16:00大倉尾根16:25…18:45大倉

山行記

冬は沢はお休みかと思っていたら、リーダーから濡れない沢の案内が来た。夏のシャワークライミングも良いが、沢は地形を読みながら、次に何が出てくるかわからない冒険のような世界観が味わえる。楽しみに当日を迎えた。

大倉バスターミナルから1時間半ほど車道を歩き、戸沢山荘に到着。書策新道入り口から水無川本谷沢沿いの尾根を登っていく。天気も良く、尾根を登るとたちまち暑くなり、早速カワハギ(上着を脱ぐ)する。ところが、山の影に入ると、数日前に降った雪が残っていて、風が吹くと空気が冷たい。雪の残った道を慎重に歩き、沖ノ源次郎沢に到着。涸れ沢だが、滑らないよう沢装備を装着する。雪で足底が冷えていたが、沢ソックスと沢靴を履くと温かい。入渓点は雪解け水も流れていて沢の臨場感はあるが、中にはうっかり水に入って濡れてしまったメンバーもいた。

入渓からすぐに20mの大滝が2つ連なるF1、F2に到着する。F1は、雪と苔で濡れていて滑る。リーダーが張ってくれたロープに確保されなんとか登り切ると、さらにそそり立つF2が目の前に。リーダーがリードで登っていくが、最初の1ピンを過ぎるとハーケンもなく、岩の間にカムをセットしながら登っていく。ロープを張ってもらい、今度は私の番だ。最初のスタートが核心部分で、1ピンにかかったクイックドローを持ち、背中や肘も使ってよじ登り、なんとかその上にある岩をつかこむとができ、ほっとして登り切ろうとするとズルッと滑り落ちた。ロープで確保されているものの、クライミングシューズと沢靴の違いを実感した。核心に苦労しながらも全員が登り切って皆で達成感を味わった。

今日のクライマックスが終わり、あとは脱渓となる。当初の予定は沖ノ源次郎沢から大倉尾根に出て、源次郎尾根から戸沢山荘に戻る予定だったが、沢の雪がけっこう残っていて、どの程度の深さかわからないのと、雪の斜面のトラバースに不安があったため、沢をツメるのをやめ、安全を優先して尾根伝いに歩いていくこととなった。そのため予定よりも高い位置まで登り、大倉尾根の花立ノ頭でやっと合流。そこからはいつもの慣れた大倉尾根を下ったが、大倉に着くころにはあたりはすっかり暗くなってしまった。雪がこんなに残っているとは思わなかったが、今回は沢、雪山、クライミング、そして大倉尾根トレーニングと、さまざまな要素を一度に体験でき、また地形だけでなく、雪や沢の状況からどのように判断したらいいかという学びもあり満足度の高い山行となった。

予定より下山が遅くなったため、すっかりお腹が空き、皆でラーメンを食べて帰った。雪山で冷えた身体が温まり、さらに満足度が増した(笑)。

【CL追記】

雪が思ったよりあり、崩壊の進む書策新道ではロープを出しているうちに慣れたメンバーは自らルートを選び通過してきた。また、当初予定していた脱渓後トラバースして源次郎尾根のルートから変更して、尾根を直登して大倉尾根に出ることとした。想定外の事態にも冷静に対応したメンバーを頼もしく思った。



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