特集『仲間を作る』②雪山入門山行

『仲間を作る』の第二段として雪山入門山行を紹介します。

東天狗岳山頂にて

雪山入門山行

(文責:GL3205Kuwata)

雪山世話役会として、雪山の楽しさ・美しさ、仲間作りを体験してもらうため、毎年一回、教室を実施している。12月の説明会から始まり、体力確認山行(@塔ヶ岳)、座学・装備説明に続いて①富士山(5合目付近小屋泊)で滑落停止、アイゼンワーク、ピッケルワーク等の基本を学習。その後 ②八ヶ岳(@黒百合ヒュッテ)で初めて冬季テント泊で天狗岳をめざす。更に③谷川岳でトイレ作りから始まる完全な自然のもとでテント泊を経験する。

もちろん、安全を最重要とするため、危険回避には万全を尽くすが、夏山に比べると当然リスクは高まる。今年の②八ヶ岳(天狗岳)では、風(20M)、気温(マイナス20度以下)の予報だったため、当初予定の 2日目登頂を1日目にずらして実施、翌日は中山展望台往復にとどめたが、それでも夜中の外気温はマイナス20度、中山展望台往復の約1時間の間にも軽い凍傷の症状を初めて経験した。

そんな「究極」の状況の中で4人用テントで寝食を共にし、同じメンバーで3回(塔ノ岳と座学を含めると5回)の共通体験をすることで、連帯感は他の山行以上に強まることを経験している。

雪山入門で得た仲間は、自分のみろく仲間の中でも特別な仲間となっていると思うと同時に、参加者にとっても貴重な「同志」を作ってくれていると確信している。


(文責:3853Umezawa)

今年の冬、大人気の雪山教室に参加させていただきました。みろくの沢山の先輩方から、雪山教室は楽しいから絶対参加した方がよいと聞いていたので、募集開始を確認してすぐに申し込みました。
 
私はまだ入会して1年未満の新人会員です。入会後は仕事や家族との時間をやりくりして、最低でも月に一回は会山行に参加してきました。このわずか1年でみろくで沢山の経験をさせてもらっています。感謝、感謝です。

山行後の反省会にもほぼすべて参加したお陰で、沢山の方と知り合って中には私の名前を覚えてくださった先輩もいます。ただ、ほぼ同じメンバーで複数回寝食を共にするという山行は、雪山教室が初めてでした。

テント泊で氷点下20度近くの極寒の夜を全員無事に切り抜けたり、私がテントの中を焦げ臭くさせるほど炊飯に失敗した白米を食べてもらったり、メンバーが自宅でめちゃくちゃ旨い密造酒(どぶろく)を作って持ってきたのを皆で楽しく飲んだり、あーだ、こーだ言いながら皆で宴会用のテーブル&椅子やトイレを雪で作ったり、そもそものカリキュラムでも内容が豊富なのにプラスアルファで参加したメンバー&リーダーのお陰で、濃密で本当に楽しい時間が過ごせました。年々記憶力に衰えを感じていますが、今回の教室のことはきっと忘れないと思います。

最後にお伝えしたいのは私より後に入会された皆様、雪山教室は楽しいから絶対参加した方がよいですよ!! 


(文責:3876Horiuchi)

①雪山の魅力
何といっても素晴らしい景色だと思います。今回の雪山教室は3回ともお天気に恵まれたので、最高の景色を見ることができました。青空と雪山のコントラスト、月明かりに照らされる雪山、朝焼けの雪山、どれも心に残る美しい景色ばかりです。

②小屋・テントの魅力
普段体験できない世界を味わえることだと思います。雪を溶かして水を作り、コッフェルとガスバーナーで鍋を作り、トイレは雪を掘って作ります。一つ一つ自分たちの手で作り上げる満足感を感じることができます。また、普段は当たり前にあるものが、当たり前ではなく幸せなことなんだなぁ、としみじみと感じました。

③仲間との一体感の魅力
表尾根の体力測定を含めて合計4回の登山を通して、日帰り登山とはまた違う一体感が生まれたと思います。同じ山小屋・テントで食事を取りシュラフで眠り、一緒に頂上を目指す中で、自然と一体感は強まり、仲間意識も強くなったように感じています。この先何年経っても、みんなで雪のテーブルで鍋を食べ、おいしいお酒を飲み、山の話で盛り上がった時間を忘れることはないと思います。


(文責:3597Ichiyanagi)

自分にとって雪山は非日常の世界、おとぎの国のようなものである。厚い雪で覆われた白銀の世界、白く輝く周りの山々は当然素晴らしく美しいが、その雪に負けずに逞しく生きている木々や野生動物の生命力もより一層感じることができる。

雪山を歩いていると、そのパワーを自分ももらっているような気がする。雪山の歩きは楽しい。たいてい、登山道は雪で覆われているので岩のでこぼこや曲がりが少ない。

谷川岳では、朝まだ誰も登っていない真っ白な天神尾根を天に向かって真っすぐ登って行った。こんな快適な登山道はない。普段は大きな石がゴロゴロしている八ヶ岳の中山展望台も、一面平らな雪原なので容易に先まで行け、北アルプスをバックに絶景ポイントで写真が撮れる。トレースがないところは膝まで雪に埋もれラッセルしなければならないが、それも雪遊びと思えば楽しい。富士山五合目では滑落防止、耐風姿勢などの練習もして、大いに雪と戯れることができた。

雪山の寒さも非日常体験である。八ヶ岳のテン場では夜マイナス20度ほどになり、テントの中に雪が降ってきた。風でテントが揺れた時に凍った結露が寝ている顔に降ってくるのである。ナルゲンが最初から温く、寝袋内で水になってしまったので邪魔で出しておいたら、朝すっかり凍ってしまった。       

4人用のテントは、大人4人と大型ザック4個が入って、荷物と人が折り重なって寝る状態である。人のいびきも自分のものとして受け入れるしかない状況、これ以上の一体感はない。狭いテントの中で、4人でコンロを囲んで食べる鍋はうまいが、天気が良ければ外で食べたい。谷川岳では、皆で雪の長テーブルを作り雪山の景色を見ながら、食べて飲んで語り合えたことは雪山でしかできない最高の贅沢である。雪山教室は仲間づくりにも最高の場ではないかと思う。


(文責:3859Katoh)

①雪山の魅力
人が少なく、山を独占できる。静けさの中で自然との一体感が夏山以上に感じられる。雪山は男の冒険心を満たす。

②テント泊の感想
山小屋泊と比較して自由度が高い。例えば、食事の時間、就寝時間、出発時間など。不便さもまた楽しい。自分で背負い歩ける量、重さは限定されるがその中で食事はどうする、酒はどれだけ用意しようかと考える楽しさ。

③仲間との一体感(雪山教室)
ツアー登山や日帰り登山は単なる同行者。雪山教室などのメンバーは共通の目標を持ち、協力・努力しなければ失敗すること、そして目標を達成することで一体感が深まるものと考える。特に今回は2回目の天狗岳、氷点下20度の中でのテント泊。寒くて眠れなかったこと、指先が軽度の凍傷になった事こと。2日目の朝、皆で震えながら、展望台から見た雪を被った山々の美しさ。一生忘れられない山行だと思います。


(文責:3789Kobuke) 

下界での雪景色とは異なり、凍てつく風雨にさらされた極寒での雪山は、雪の付き方が違うスノーモンスター、岩に張り付き成長した海老のしっぽ、キラキラと輝くパウダースノーの斜面、透き通った空の青さとのコントラストなど、晴れていれば異次元の美しさで魅力的である。ただこの美しさと裏腹に、大きな危険が潜んでおり、それを踏まえての行動、知識、技術を身に付けておく必要があり、今回の教室で失敗しながら多くのことを学ぶことができた。その技術を身につけ、厳しい自然と対峙する醍醐味も雪山の魅力だと感じた。

雪山でのテント泊は初めてであったが、雪からの水づくりと貯蔵、テント固定のためにペグではなく、割りばしや雪袋を使用するなど、氷点下の環境での対処方法、心得を身につけることができた。狭いテント内で雪を溶かしながら時間をかけた水づくり、その間のたわいもない世間話、初対面の人と自己紹介も兼ねた会話、人を知り己を自己表現することで親近感が生まれ会話が弾む。不思議と距離が近くなる。日帰りの会山行だと人数も多く、初対面の方も多く、会話する機会も少ないため、なかなか近しい関係にはならない。同じ目的(方向性)を持ち、同じ釜の飯を食い、寝食を共にすると非常に親近感がわき、距離が近くなる。

40年近く前、息子のボーイスカウトの面倒をみた経験があるが、この教室もまさに「大人のボーイスカウト」であり、いくつになっても共にワイワイと一緒になって学ぶことは新鮮で楽しい。特に谷川岳の尾根筋にテントを張ったため、360 度山を見渡せ、夕日が映える場所で、雪でテーブルと長椅子をつくり、日没まで鍋を囲んで宴会ができたのは一生忘れられないものとなった。このような楽しい場と共に、アイゼンワーク、ピッケルワークなど訓練以外にも、道中、実地での指導を頂いたことにリーダーを始め皆さんに感謝したい。


(文責:3811Seki)

雪山は寒くて危険。雪崩、滑落、凍傷、生きて帰る保証なし。決して近寄るべからず。ずっとそう思っていたがふと雪山説明会の案内が目にとまった。そこでは自分のように初めてや、少しだけ登ったという入門者ばかりで、これなら一緒に登れるかもと背中を押され門を叩くこととした。

最初の富士山では、初めてのアイゼン、ピッケルに戸惑いながらも雪山の滑落停止など重要ポイントを学ぶ。すぐに体が反応しないとなかなか止まれない。快晴の空の向こうには、次に登る八ヶ岳が見えているが、見とれてばかりいられない。自分の身を守るにはピッケルを持つ手と向きが大事だ。

八ヶ岳の天狗岳はいよいよ本格的な雪山だ。天候にも恵まれ青空ものぞいている。黒百合ヒュッテのテント場で早速設営を開始。程なくして東天狗岳の山頂を目指して出発。かなり気温が低い。急な登りを慣れないアイゼンを着用して進んで行く。雪山では直登できるので、距離は短いがそのぶん厳しい。

やっとたどり着いた山頂ではガスの切れ目からテントのある黒百合ヒュッテ、中山展望台、茅野の町が一望だ。今日は初めての雪山テント泊。自分の荷物をテントのコーナーに押しやり場所を確保。ビールで乾杯のあと、夕食の準備に取り掛かる。テントの中では鍋を常に持っている必要があるため身動きしづらい。足がつる、なかなか治らない(涙)。

まずは、みろく方式で米を炊く。沸騰して3分、「あれっ?まだ早い?」「じゃあ、あと3分追加しよう!」。その後、テントの中は焦げ臭い煙とにおいに包まれてしまった(涙)。まだまだ修行が必要。メニューは鶏カレー鍋。韓国のりをまぶした焦げのあるご飯は、わざとそうしたかのような自然な感じ(笑)。失敗をリカバリーするチームワークの良さを感じながらアルコールも会話も進む。

「今までで一番寒い。」翌日ベテランリーダーは言った。夜中に風が強く、テント内に結露して凍った結晶が寝ている顔に降った。吐いた息が寝袋に付いて凍り、時々頬に伝う。テントの側面に触っていた寝袋は、翌朝、真っ白に雪が着いた状態で凍って取れなかった。雪山テントをなめてはいけない。

最終の谷川岳は雪洞掘りが目玉だ。スノーソーなる雪を切るノコギリが登場した。 スコップで四角く雪を切り出し積み上げていく。目隠し付きの立派なトイレの完成だ。次は宴会テーブルの仕上げ作業。テーブルの幅を広げ、雪の高さを調整して座り心地をチェック。完璧だ。いよいよ乾杯!明るいうちから、雪のテーブルで全員で飲むビールはいろいろなところに染みわたる!すき焼き鍋とお酒と夕日。会話がいやがおうにも盛り上がる。至福の瞬間だ!

翌朝は上州武尊山からの日の出を拝んだ後、誰もいない山頂への道を皆で進む。燧ケ岳の位置をマップで確認。巨大な雪庇の危険ルートを避けて山頂へ。360 度の眺望、貸し切り、全員で最高の達成感を共有た。雪山の基礎を学び、雪山の魅力を発見することができた。これからの仲間との雪山が楽しみだ。リーダーと仲間に感謝!


(文責:3930Izena)

1.雪山の魅力
①白銀の世界
雪山の魅力といえば、白銀の世界。時間帯によって変化していく景色。白と青以外ほとんどない、超解放感。今回、好天に恵まれ絶景を堪能しました。天狗岳の下山中、振り返った時に見た白く輝く八ヶ岳の峰々、谷川岳のテント場から見たモルゲンロート、オキの耳、トマの耳から見た上州の山々と広く白い斜面を下るメンバーの小さくなった後ろ姿。

②雪の静寂
雪が音を吸い取っているように感じる夜。自分の呼吸しか聞こえない登りの斜面。今回は大勢で登りましたが、時折、静寂があり、一瞬自分だけの世界に浸ってしまいました。

③冬の厳しさ
全体を通して、風は弱かったので少し残念でしたが、天狗岳では、夜中にマイナス20℃を体験しました。数十年ぶりに雪の上で眠れるか心配していた私としては、この気温でテント泊できたことは自信になりました。

2.山小屋、テント泊の魅力
雪の山小屋泊の魅力は、何より暖かいことです。またテント泊の魅力は、自然を近くに感じることでしょうか。特に壁側は最も自然を感じるベスポジです。

3.仲間との一体感
雪山入門シリーズに参加したのは、雪山に一緒に登る仲間づくりが目的でした。過去の登山経験や登山の嗜好に違いはあるものの、「雪山に登りたい!」と集まったメンバーですから、安心感はありました。とはいえ、初めは私自身ぎこちなく、徐々に自分との共通点やその方の個性がわかるにつれ親近感がわいてきました。元ワンゲルの方とキスリングの話で昔を懐かしんだり、なぜか杜氏と呼ばれている方とお酒談議に花をさかせたり。またメンバーから他のみろく山行の話を聞く中で、その方の人柄に触れることもありました。山の中では若干緊張しているせいか、「仲間との一体感」は意識しませんでしたが、帰りの電車の中で、ビール片手に達成感を共有?している時、「一体感」も同時に感じ、また一緒に登りたいと思いました。

富士山佐藤小屋で