「六甲全山縦走」サイドストーリー
はじめに
多くの感動を生み出した2024年六甲全山縦走。山行もさることながら、その前後にもストーリーが…。ここでは個人寄稿として、横浜~神戸間の500㎞超に渡る移動や宿の様子も含めて記したい。
(文責:3887 写真:3811,3835,3840,3847,3962,3978)
3/9(土)往路
大人数の旅は楽しい。ただ青春18きっぷ(以下18きっぷ)でとなると、話はガラリと変わる。1日2,410円と破格ゆえ制約が多く、人数が多いと統制が取りづらい。おまけに神戸までは約10時間かかり、約5回は乗換えが要る。
昨年の初六甲参戦時には単独で18きっぷを利用した。その話が仲間内で持ち上がり、今年は有志を募りグループで行こうという流れに。こんな計画に乗る人がいるのか?と思いきや…いた!さっそくこの酔狂な7人でSNSチャットを立ち上げ作戦会議。「座りたい」「駅弁食べたい」「イカ焼き食べたい」等の要望も。これらを踏まえ旅程を作るのは楽しい。出発前からテンションが上がる。
そして迎えた当日早朝。18きっぷのルールに合わせ、横浜乗車と大船乗車の二手に分かれて東海道線に乗り、車内で合流。旅のスタートだ!熱海で最初の下車。皆トイレに駆け込む!時間を多めに取っていて良かった。18きっぷの旅は、トイレがかなり肝であったりする。乗換え電車は出発時ガラガラ。誰かが気を利かせてビールを購入してきた。早速乾杯!朝日が眩しく穏やかな天気で、絶好の鉄道旅日和。三島あたりから勇壮な冬の富士山の姿が。いつ見ても気分が上がる。
豊橋の乗換えでは予め練った作戦通り、席取り班、駅弁班、お酒班に分かれて各々の任務を遂行し、ボックス席での昼食を愉しむ。大垣あたりから空模様がドンヨリし、関ヶ原は吹雪状態。戦国時代好きなA班のKさんが見学しているはずだが…。関西圏に突入し、いよいよ本日のハイライト。大阪と神戸元町の二手に分かれて下車し、いか焼き&たこ焼き&神戸三大豚まんを調達。宿で再集合してこれら粉もん・中華もんを囲み宴会開始!他のみろく仲間も到着し、宴に加わり盛り上がる。だが翌日は本番、さすがに理性が働き、早めにお開き。
青春18きっぷ旅の軌跡
最高点の標高: 186 m
最低点の標高: -7 m
3/10(日)本番
A班は、CLと自分以外は六甲初参加。お役に立てればと昨年のログを仕込み、ここだけの話、仕事そっちのけでコースを復習した。だがしかし、実際に蓋を開けてみると…!?「菊水山までがピーク。あとは楽勝」と初参加の仲間たちに言ってたのは誰だ?ハイ、私めです…。
人間の記憶とはいい加減なものだ。菊水山のあとの摩耶山も十二分にキツいではないか!そのうえ「本番は楽しく」と言ってた先頭のKさんのペースが早い。昨日は雪の関ヶ原で6時間も史跡見学を存分に楽しんだそうで、気持ちが戦国武将の如く昂っているようだ。そのうち我がA班の兵1名の足が攣ってしまう。すると、A班のほかの兵たちが彼の荷物を快く引き受ける。あっぱれ!
六甲最高点で記念撮影とともに、ECL(エンカイ・チーフ・リーダー)が居酒屋に予約の電話。山行と反省会はワンセット。実に重要な任務だ。ゴールで感動を嚙み締めたあとは三宮へ直行。心ゆくまで飲み&反省して宿で二次会。今年はどの班もペースが早く続々と宿に戻り、宴会部屋は大賑わい。各班の面白エピソードを披露しあう。皆完歩の高揚感もあり、遅くまで宴は続いたのであった。
コースタイム
最高点の標高: 930 m
最低点の標高: 33 m
3/11(月)復路
達成感の余韻が残る翌朝、一昨日買いすぎた豚まん2.5個を食し、いざ、灘の酒蔵へ!「酒の一滴は血の一滴」とはよく言ったものだ、製造工程の展示を見てしみじみ、一気呑みなど失礼千万だ、ということを思い知る。すると、「試飲だけでは物足りぬ」と2名が売店でワンカップを購入。週明けの忙しい世間をよそに、ほろ酔い気分。この若干の罪悪感がいい、贅沢な休日だ。梅田では横浜の野毛を思わせる、味わい深い3番ビルの居酒屋で土手焼きと安酒を堪能。関西出身メンバーの青春時代の思い出のラーメン屋で締め。
帰りは新幹線。「訓練山行のお陰で力が付いた」「青春18きっぷや酒蔵を交えた山行もいいね」「岩がー」「夏山がー」…と、山トークが続く。もっと話したいのは山々(笑)だが、あっという間に新横浜駅到着、すべてがここで終了。六甲山行の大イベントと、仲間たちがいたからこその、格別の充実感が得られた3日間だった。
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