7-4 丸塚尾根ルート

三浦アルプスの北西側からの入り口である川久保交差点から森戸川林道、南尾根を経由して、畠山あるいは乳頭山方面に向かう場合(あるいはその逆ルートを採る場合)、森戸川林道と南尾根を結ぶ連絡ルートは4つあります。東から順に、下沢尾根ルート、谷沢尾根ルート、丸塚尾根ルートと連絡尾根ルートです。このうち全体としての距離がもっとも短くなるのがここで紹介する丸塚尾根ルートです。距離の利点を考えれば、登山道として本来もっと使われていいルートだと思うのですが、そうなっていないのは、ルート上、ほんの一部分だけ非常に険しい箇所があるからです。

森戸川林道を起点とする場合は、葉山町の消防標識No.19が目印となります。ここの広場から森戸川に下りると対岸に藪の切れ目があります。谷沢尾根ルートの入り口になりますが、入って数メートル行くと、左側に丸塚尾根への取り付きが見えます。ちょっと分かり難いですが、手作りの白い標識と、上から垂れ下がっている黒いロープが目印です。ロープを使って高さ2m程の崖を攀じ登ると、そこが尾根の先端で、非常に急な斜面の上りとなります。半分崖と言いたい位の傾斜です。アオキやコクサギの幹、地面を這う蔦や根っこ等、手掛かり足掛かりになるものを丹念に探して、三点支持で登ります。時には四足歩行を余儀なくされます。標高差70mほどで難関をクリアすれば、あとは傾斜も多少緩やかになり、道幅は狭いものの良く踏まれた普通の登山道になります。歩く人があまり多くないので、夏場には草が生い茂り、路面が見えなくなるようなところもあります。マムシを踏まないよう注意が必要ですが、道は一本道で迷う要素は殆どありません。

この尾根は逗子市と葉山町を分ける境界となっており境界石が埋められており、また、県道逗子・葉山・横須賀線(三浦中央道路)の竜神トンネルが下を通っているのでその真上に基準点標が埋められています。丸塚東峰と西峰の二つのピーク(ともに174m)がありますが、山頂標識といったものはありません。

南尾根側を起点とする場合は、葉山町の消防標識27番と28番のちょうど中間点辺りが起点となります。乳頭山方面から観音塚方面に向かう場合は、消防標識28番から下ってくると、道が緩やかに左にカーブするところで、正面右寄りに緩やかな尾根を登る踏み跡が見えます。普通の登山道といっても良い位のはっきりした踏み跡です。ただし、標識が無いので地図をよく見極める必要があります。入り口左側に細い木があり、ここに赤テープが巻いてあるので、目印すると良いでしょう。ただし、この方向だと、最後に急傾斜の斜面を下ることになるので、雨後は避けるのが無難です。粘土質の土壌は非常に良く滑ります。

写真をクリックするとスライドショーになります(写真撮影2021年6月)。